みずがめ座
予定調和から抜け出す
本心が表面化していく中で
今週のみずがめ座は、「夢見る機械」を破壊する主人公・野間崎健二のごとし。今週は自分が抱いている本音やこれまで貯め込んできた思いが、特に仕事の関係、あるいは親子関係において表面化してきそうな星回り。
人間の記憶が、時にウソをつくことは既にそのメカニズム(記憶は後になってつくられ、改竄される)とともに知られていますが、今週はある意味であなたが「夢見ていたい夢の世界」と「実際の現実」の間にあるギャップに気がつき、偏見や歪みなしに、あるがままの現実を受け入れていくことができるかどうかが問われる時なのだと言えます。
最近ドラマ化もされた『夢見る機械』では、日常の現実は自分そっくりにすり替えられた精巧なロボットに任せ、本物の本人はマザーコンピューターが見せる「夢」に浸って眠り続けている、というディストピアが描かれていましたが、安易な予定調和世界を自ら壊すのか、気付かなかったふりを続けるのか、はたまた第三の選択肢を見出すかはあなた次第でしょう。
恐れつつ自己を眺める
『複製技術時代の芸術』で、大量生産時代の芸術の特徴を「オーラ(かけがえのない一回性の源泉)」の喪失として捉えたドイツの思想家ベンヤミンは、次のような言葉を残しています。
「幸福であるとは、なんの恐れもなしに自己を眺めうる、ということである。」
記憶や脳がウソをついていたとしても、歪められた記憶と現実とのはざまで抑圧された身体や感情、本能は必ず何らかのシグナルを発しています。もしそうしたシグナルを読み解くことさえ恐ろしいときは、スナックゆう子のママが名刺に載せていた座右の銘を思い出しましょう。
「死ぬこと以外はかすり傷」
今週のキーワード
自己を眺めることと幸福であること、記憶はウソをつく、夢の世界と現実とのギャップに気付くこと、ベンヤミンとゆう子ママ、諸星大二郎『夢見る機械』