ふたご座
“一属一種”になればいい
運気を“生命の進化”に例えるなら、2020年下半期のふたご座は、独自の進化を遂げるうち、いつの間にか近縁種がいなくなってしまった「一属一種」の生き物のよう。
例えば、私たちヒトはヒト属唯一の生き残りであり、ネアンデルタール人など他の近縁種はすべて絶滅してしまった孤高の生物。ヒトに近いとされるチンパンジー(パン属)やゴリラ(ゴリラ属)とも決定的に異なる進化の道をすでに歩んでいる訳です。
今期のあなたもまた、なんとなく周囲と歩調を合わせるといったことはますます難しくなって、自分なりの進化のけもの道を探り始めるでしょう。それに伴い、眠気がふっ飛ぶようなショッキングな出来事が起きたり、これまで使われずに眠っていた感覚や才能が目覚めたり、なんてこともあるはず。
ただ、そこで怖気づいて道を引き返そうとしたり、びっくりして歩みを止めてしまったりしてしまえば、せっかくエンジンがかかってきた運気を途中で引っ込めてしまうことになります。その意味で、2020年下半期のふたご座は、たとえ退路を断ってでも孤高の存在になり切る覚悟を決めていきたいところです。
2020年下半期、各月の運勢
7月「ラスト・レッスンに取り組むべし」
3月下旬からみずがめ座に入っていた土星が、7月2日に再びやぎ座に戻ります。これはふたご座の人たちに、既にもう自分はそこから抜けたと思っていた「性と愛」をめぐる現実的な課題や苦手意識を改めて突きつけていく展開をもたらすということ。そのため、せっかく前進したつもりが、すっかり元の場所に引き戻されたと感じて落ち込むこともあるかも知れません。ですが、ここできちんと“最後の課題”に取り組んでいけるかどうかで、大転換しつつある時代の流れに乗れるかが決まるのです。肚を決め、心してかかるべし。
8月「ビシバシ&バッサリ」
8月17日にはふたご座の守護星でコミュニケーションを司る水星が、おひつじ座の火星と吉角をとって活発化していきます。この時期は積極的に“外”へと出ていく機会に恵まれたり、いつも以上に議論が白熱しやすく、そこであなたはもはやただの思いつきではない、確固とした信念に紐づいた言葉をビシバシと発している自分に気付くはず。中途半端な立ち位置や人間関係に白黒つけたくなるタイミングでもあるので、ここでバッサリと関係性を断ったり、執着を手放すのにもちょうどいいでしょう。
9月「肯定の基盤づくり」
9月13日に「発展と拡大」を司る木星が順行に戻ります。木星が逆行していた4カ月間のあいだ、多かれ少なかれ自分が心から信じられるものを探して彷徨い歩いていたようなところがあったのでないかと思います。ただ、そうやって回り道をしたからこそ気付けた繋がりや選択肢にスッと生かされるといった展開がここから徐々に出てきやすいでしょう。否定からでなく、肯定から入れる関係性はどこにあるのか、そのために自分には何ができるのか、明確にしていきたいところです。
10月「公的立場への自覚が問われる」
10月14日から15日にかけて「道を切り開く意欲」を司る太陽が、「権威的なものの打破と刷新」を表す土星&冥王星と激しい角度を取っていきます。この土星と冥王星のコンビは2020年を象徴する配置でもありましたが、ここに来てようやく今年1月以降の変化が自分に何をもたらしたのか、そしてそれに対して今後自分がどう応えていくべきか、足場が定まっていくのだと言えます。逆に、まだそうした自覚が曖昧だという場合は、ここが「いい加減に気付かないとヤバい」という後から振り返った際の分岐点となる時期なのだと胸に刻みましょう。
11月「秘密裏の試みを」
おうし座にある「変革と刷新」の天王星に対し、さそり座を運行中の太陽が11月1日にちょうど180度を取って光を当てていきます。天王星はふたご座にとって、「隠れた場所」を意味する12番目の位置関係にありますから、これは表立ってではなく、水面下においてこれまでにない新しい試みをしやすくなることを意味します。また複雑で理解しがたい発想やアイデアに熱中していきやすい時期でもあるので、まずじっくりとそうしたアイデアを温めたり、何度も試みを繰り返していく中で育てていくといいかも知れません。
12月「世界観のアップデート」
12月22日には、いよいよみずがめ座で社会性を司る両輪である木星と土星が重なり、これは占星術において、約200年ぶりに時代を動かす基準が「土(モノの豊かさ)」から「風(コトの幅広さ)」へと本格的に移っていく非常に重要な転換点を迎えたこと表します。ふたご座にとってはそれが9番目の「探究と哲学」の位置で起きますから、単に知識や技能のレベルではなく、世界観そのものをいかにスケール大きく豊かなものにして、過去の自分を脱していけるかが問われてるはず。
2020年下半期、ふたご座が指針にすべき偉人
「南方熊楠(みなかたくまぐす)」(1867~1941)
日本の粘菌研究の第一人者であり、かつ環境アクティビストの先駆者でもあった熊楠は、生涯にわたってどこの大学機関にも属さない在野の研究者であり、それ以前にひとりの探究者であり続けました。
独立独歩の道を歩まんとしているふたご座にとって、熊楠の怪物的な異端児ぶりは大いに刺激となるはず。彼は昭和天皇が和歌の中でその名前を詠んだ唯一の人物でしたが、もしかしたら昭和天皇は秘かに彼に憧れていたのかも知れません。