おひつじ座
「内からの支配」を強化する
何か行動を起こそうとしたその時、もし困難が襲ってくれば人は逃げようとするでしょう。厄介なことに、その口実を「生まれ」や「環境」、「不景気」、「政治」など、他人のせいにする人は少なくありません。
2020年下半期のおひつじ座は、まさにそうなりかねない状況に立たされていると言えます。つまり、あなたはいま自分の生き方を自分で決める時期にさしかかっており、人生のハンドルを自分以外の何か誰かへあずけてしまうのではなく、他ならぬ自分自身の手で握っていく感覚を改めて思い出していかねばらないということ。
そして、それには「自尊心」を充分に奮い立たせていく必要があります。
日本人というのはどうしたって「自分にはここが足りない、あそこがダメだ」とマイナスばかりを見て自己評価を下げることに執心しがちですが、例えば1859年に『自助論』を刊行したスマイルズは「真の謙虚さとは自分の長所を正当に評価することであり、長所をすべて否定することとは違う」と説いています。
「(社会の進歩など)すべては個人の力に帰結する」という考えから、彼はこの本を書きましたが、そうした「個の力」とは、具体的には自分に欠けている能力のことは考えず、長所で勝負をしかけていくことによって初めて発現していくのだと言うのです。
おひつじ座にとって、2020年はいよいよ運気のボルテージを一気に上げて、本当の意味で実力が試されていく“始まり”の年ですが、とはいえ、試みが不発に終わったり、前進どころか後退を余儀なくされることだってあるはず。
ただ、己の歩みが止まりかけた時ほど、いま自分が持っている能力を最大限に使ってできることは何か、とプラス思考で捉えて実践・行動していけるかどうかが、2020年下半期のおひつじ座の課題なのだと言えます。
2020年下半期、各月の運勢
7月「誇りを取り戻すために」
3月下旬からみずがめ座に入っていた「影と試練」の土星が、7月2日に再びやぎ座に戻ります。これはおひつじ座にとって、(特に自分の仕事や職業的な)“誇り”を取り戻すため、まだ向き合っていかねばならないことが残されていることを暗示しています。あるいは、密かな野心を抱いてコツコツと地道に準備してきたことがあるのなら、具体的なプロジェクトや取り組みとして軌道に乗せていく時がついにやってきたのだとも言えます。そのためのひと押しや、踏み出すべき一歩の作りだす“違い”が問われていくでしょう。
8月「革新と孤独」
8月2日に「意志と生き様」を司る太陽が、「タブー破り」の天王星と力強く交わっていきます。天王星はまるで暴れ馬のような破壊的で強力なエネルギー源ですが、その人が革新的であるがゆえの孤独感を受け入れることができれば、これまで考えもしなかった自由で創造的なアクションを可能にしてくれます。どんなジャンルや業界であれルールを教えてくれる人はいるものですが、ルールの破り方というのは最後は自分で見つけ出さねばならないということを、よくよく胸に刻んでいくべし。
9月「人前にダイナミックに躍り出る」
9月は「発展と拡大」を司る木星が13日に順行に戻っていきます。ここ数カ月の間おあずけを食らっていた活動や仕事上の案件が再び動き始めていく人もいるでしょうし、あるいは、自分にとっての“世間”が拡張していくという形で現われる人もいるかも知れません。つまり、あなたの呼びかけに応じてくれる人々が自然と増えていったり、数は多くなくても関わり方がもっとダイナミックになっていくということはありえそうです。いずれにせよ、大人しくじっとしているのでなく、積極的に人前に出ていくことを心がけたいところ。
10月「本気スイッチON」
10月14~15日には、“創造性”の太陽、“自己主張”の火星、“根本変容”の冥王星とで直角三角形が形成されていきます。ここでは心身にかなりの無理を強いられやすいかも知れません。ただ、それと引き換えに滅多なことではONにならない「本気スイッチ」も入っていきやすいはず。くれぐれも虚栄心や嫉妬などの負の感情に振り回されないように注意してください。ただ、もし何か本気で取り組んでいきたいことがあるならば、その口火を切るには持ってこいのタイミングとなっていくでしょう。
11月「下半期のハイライトはここ!」
11月14日にはおひつじ座の守護星である火星が、逆行期間を経て2カ月ぶりに順行へ。ここから火星がおうし座へと抜ける正月明けまでは、まさにエンジン全開。2020下半期の見せ場とも言うべき時期に入って行きます。やってみたかったことや秘かに思い描いてきたことなどを、一歩もひかないつもりでどんどん実行に移し、畳みかけていきましょう。
12月「人の輪をどんどん広げていくべし」
12月は22日に、いよいよみずがめ座で社会性を司る両輪である木星と土星が重なっていきます。これは約200年ぶりに時代を動かす基準が「土(モノの豊かさ)」から「風(コトの幅広さ)」へと本格的に移っていく占星術上の非常に重要な転換点であり、特におひつじ座にとってはそれが「人の環」を表す位置で起きていきますから、どのように人のネットワークを築いていくかが大きなテーマとなっていくはず。あるいは、何かとグループの“看板”的な存在に祀り上げられることもあるでしょう。
2020年下半期、おひつじ座が指針にすべき偉人
「中村正直(なかむらまさなお)」(1832~1891)
「天は自ら助くる者を助く」という言葉で有名なスマイルズの『Self Help』を翻訳し、『西国立志編』(別名『自助論』)の邦題で明治4年(1871)に出版。100万部以上を売り上げる大ベスト・ロングセラーとなり、福澤諭吉『学問のすすめ』と並んで、当時の若者に絶大な影響を与えました。
自分のためにしたことが結果的に周囲への恩恵にもなっていくという、まさに今期のおひつじ座が目指すべきロールモデルの元祖とも言うべき人物の一人と言えます。