うお座

喜びを深める
2020年上半期は、うお座にとってある種の「生まれ変わり」の時期であると同時に、2019年以上に、これと定めた物事にのめり込んで、そこにどれだけ深く没頭していけるかが問われていくでしょう。
イギリスの思想家J・S・ミルは「幸福か否かを自らに問うことによって、人は幸福ではなくなる」と述べましたが、今期のうお座は幸福を直接探そうとするのではなくて、あなたが自分以上に重要と見なした対象や営みの一つひとつの細部に深く没入していった結果、あくまでその副産物として幸福に授かろうとしているのだと言えます。
心理学では、そうして本当に好きな活動に深く没入し、他の何ものも問題とならなくなる状態を「フロー体験」と呼びます。何か大きな流れに包まれ、そこに身を任せる中で、不必要な思案や否定的な想念が消え、次第に躊躇がなくなっていくのだそう。
ただ、“喜び“の感覚がそれほどの深みに達していくためには、目標がより内発的な報酬に満ちたものへと代わっていくまで、地道に根気強く活動を続けていくことも必要となっていくはず。その点は心しておくこと。
2020年上半期、各月の運勢
1月「生命線がつながっていく」
1月13日は、いよいよやぎ座で太陽と土星と冥王星が重なっていきます。これは「きわめて強力な、生き延びようとする意志」を意味する配置で、だいたい三十数年に一度起こる大きな節目の時であります。この邂逅はうお座にとって「未来への見通し」を意味する場所で起こっていくため、運命の変転や大逆転につながっていくようなネットワークの広がりを感じていきやすいかも知れません。これまでのあなたなら考えもしなかったような縁に運ばれるような形で、これからの自分の生命線がつながっていくような印象を覚えていくはず。
2月「天使よりも大胆に」
2月16日には木星・土星・冥王星という非常に強力な3つの星に続いて、勝負に強い火星もやぎ座へ入っていきます。これはうお座のあなたにとって、夢の実現に向けて物おじせずに勝負を仕掛けていく時がきたことを告げています。天使さえも足を踏み入れるのを恐れるような場所にも、大胆に入り込んでいく強さやバイタリティーもわいてきやすいでしょう。それは、あなたはどこかでその先に大きな喜びの源泉があなたを待ち構えていることを予感しているからかも知れません。
3月「夢の流入」
3月8日には、うお座で「夢と無意識」の海王星と「生き様」の太陽が重なっていきます。この期間は、いつかどこかで見たことのあるような景色や瞬間を体験したり、自分が自分の人生を生きていることが誰かの見ている夢のように感じられてきたりといった不思議な感覚が、いつも以上に深まっていきやすいでしょう。あるいはそれは、深い無意識があなたの意識の中に流れ込んでくる時の感覚なのかも知れません。
4月「知性のリフレッシュ」
4月23日はおうし座3度で新月が起こっていきます。サビアンシンボルは「虹のたもとの黄金の壺」で、宇宙的な豊かさの感覚が満ち溢れて何らかの確信を得ていくことがテーマ。うお座から数えておうし座は「知性とコミュニケーション」を意味する3番目の位置関係にありますから、これまで触れたことのない情報やリアリティーを吸収していこうとするするでしょうし、その中で改めて自分が何に興味を掻き立てられる人間なのかということを確信していくことができるはず。
5月「研究と没頭」
5月11日に「拡大と発展」の木星が、14日には「目標と試練」の土星が相次いで逆行を開始し、いずれも9月まで続いていきます。この二つの星は“社会運“を司る両輪であり、そのどちらもが逆行に入っていく転換期にあたるこの月は、一見すると大人しく、落ち着いている時期のように思うかも知れません。しかし、実際にはその逆なのです。裏に回った精神活動はより純粋に活発化していきますから、自室でみっちりとオタク道に集中している休日のように、この時期のあなたも時間を忘れて没頭できる研究テーマを見つけていくといいでしょう。
6月「体裁なんてぶっ飛ばせ」
6月6日にはいて座で満月が起き、これは2020年に3度ある月食の一つでもあります。うお座から数えていて座は「社会的役割」を意味する10番目の位置関係にあり、さらにこの満月はうお座の火星と鋭い凶角(スクエア)をなしていますが、これはある意味で世間向けの体裁を無視するほどに個人的にハマってしまうものが出てきて、個人として暴走しがちであるという構図。しかし逆に言えば、自分なりの興味関心事を追求していく上での自然体を取り戻していくということでもあるはずです。
2020年上半期、うお座に口癖にしてほしい言葉
「There is dream,dreaming us.(ここには私たちを夢見ている夢がある)」
普段アクセスしている夢よりもずっと深いところに、さらなる大きな夢があります。これは現代人が失ってしまった古代人的感性をいまだ色濃く残しているアボリジニの人びとに伝わる言葉ですが、今期のうお座こそ、そうしたより深い夢へと没入していく時を迎えているのではないでしょうか。

