しし座

創造的に“空っぽ“であれ
しし座にとって2020年上半期は、12年の社会的なサイクルの終わりに向かっていく時期であり、ある種の「再起動ボタン」を押していくタイミングとも言えるかも知れません。
例えば、日本の文化は中世までは豪華絢爛な装飾で溢れていたましたが、十年に及ぶ戦乱で京の都が破壊しつくされた「応仁の乱」ではっきりと変わってしまいました。華美な方向に極まっていたのが、冷え枯れた、何もない“エンプティ(空っぽ)“な様相にこそ深い情緒を感じる「わび・さび」の美意識や、それに基づく新しい文化がそこから生まれていったのです。
同様に、今期のしし座もまた、これまでの成功体験やそこで出来上がったパターン、習慣をどこまで思い切って捨てていけるかが深く問われていくでしょう。つまり、余計なものを引いて空っぽになっていくために創造性を発揮していくこと。それこそが今期のしし座の大切なテーマであり、そこには必ずや次の12年のサイクルを生き延びていく上での希望の萌芽が宿っていくはずです。
2020年上半期、各月の運勢
1月「壁を突破する」
1月13日、いよいよやぎ座で太陽と土星と冥王星が重なります。これは「古い構造を取り除いていくこと」を意味する配置で、およそ三十数年に一度起こる大きな節目の時。しし座にとっては「業務と健康」を意味する場所で邂逅が起こっていくため、かなりハードに働くことで、これまで突き破れなかった壁を突破していこうとする人もいるでしょう。また、表面的なカバーでごまかすのではなく、根本的なところから自身の健康管理について考えさせられたり、生活リズムの書き換えが起こっていくことも。
2月「始まりの火花」
2月16日には木星・土星・冥王星という非常に強力な3つの星に続いて、「エネルギーの燃焼」を促す火星もやぎ座へ入っていきます。非常に精力的な配置ですから、ここから何か新しいプロジェクトや仕事を始めていくには最適です。逆に、変化を拒んだり下手に落ち着こうとするとかえってトラブルを招きやすいかも知れません。できるだけエネルギーを発散させるはけ口を持つことが大切なので、スポーツなどを生活習慣の中に取り入れてみるのもいいでしょう。
3月「絆を深める」
3月8日には、うお座で“境界線を溶かす“海王星としし座の守護星である太陽が重なっていきます。うお座はしし座から数えて「人との絆」を意味する8番目の位置にあり、これは先達や同志との結びつきを通して、これまでになかったパワーが生まれていくこと。また、今のあなたに必要な心の支えや魂の栄養が何なのかということが再確認されていきそうです。ただし、特定の誰かひとりに過度に期待しすぎれば、後でそうではなかったことに深く傷つく恐れもあり。他者に幻想を委ね過ぎないように注意したいところです。
4月「矛盾の統合」
この時期は、自分の思いや信念を開かれた場所で伝えていきたいという気持ちが強まっていきやすいでしょう。しし座本来の華のある自己表現に加え、他者への配慮や俯瞰的視点でのバランス感覚も加わりやすいため、人脈の中心になっていくかも知れません。自らの矛盾を統合する過程にこそ、無限の可能性が秘められているのだと、改めて実感を深めていくこと。
5月「別れと平穏」
5月7日のさそり座での満月は、仏陀の生誕と成道と涅槃を同時に祝う「ウエサク」の名でも親しまれており、非常にパワフルな力が降り注いでくるタイミングです。これはしし座から数えて「心の平穏」を意味する4番目の“基盤“の位置で起こり、あなたは自分を信じることや、自らに充ちたりて在ることを大いに促されていくでしょう。そして同時に、そうしたやっと築いた平穏を乱すもの、かつては大切だったけれどもはや必要ではないものに、はっきりと別れを告げていくことにもなりそうです。
6月「突如溢れてくるもの」
6月21日の夏至の日に、かに座で日食新月が起こります。かに座はしし座から数えて12番目の位置にあり、これは「潜在意識」や「秘密」を表す場所。一見、明朗快活なしし座のあなたは、実は非常にデリケートな部分を隠し持っています。その内に秘めた長年の悩みや傷が思わぬ形で癒されたり、魂のレベルでの深い気付きが与えられていくでしょう。眠りの中でメッセージを受け取りやすいタイミングでもあるので、しばらくのあいだ夢の記録を付けてみるのもおすすめです。
2020年上半期、しし座に口癖にしてほしい言葉
「うつろいと非対称性をくらしのなかに受け入れるとき、わたしたちは慎ましく、満たされた存在になりえます。」
これは「わび・さび」という言葉に触れて、イギリスのライターであるエラ・フランシス・サンダースが書いた言葉。どんな人間も不完全に出来ており、“ダメさ“をどう快感に繋げてくことができるかという回路が「わび・さび」ということ。今期のしし座に必要なものと言えるのではないでしょうか。

