今年もたくさんのアプリが流行しました。その中でも、日常生活に欠かせなくなってきているカメラアプリは、昨年とは打って変って新たなジャンルを確立しています。ここで一度、今年人気のカメラアプリの傾向を探り、2013年の静止画・動画が担う役割について考えてみました!
思い出づくり⇒作品づくりへ。
今年流行のカメラアプリで、まず思いつくのは「earth photo&diary」です。カジュアルウエアブランドearth music&ecologyが開発した、写真加工&日記機能がついたアプリ。オリジナルスタンプをうまく使って、いかにブランドのポスター風の写真を作るかという点に、多くの人が力を注ぎました。
また、モノクロ写真の一部をカラーに編集できる「Colorful」も大変人気でした。思い出の風景も、一部を残しモノクロにすることで、違った雰囲気のアート作品へと生まれ変わるのです。
以前のように、カメラ機能を思い出づくりのために使うのではなく、“アイデアを表現するツール”として、作品づくりに活用している方が多い印象を受けました。
思い出は形に残す。
では、カメラアプリが作品づくりにだけ使われているかというと、もちろんそうではありません。株式会社ミクシィが生み出したサービス「ノハナ」の人気の裏側には、思い出をデータだけではなく“形あるもの”に残そうという動きが見られます。専用アプリからすきな写真を選んで注文、月1冊目は無料(送料90円)で作ってくれるのだから驚き。フィルムカメラ期の写真をL判に現像する時代から、デジタルカメラ期の全てデータで保存する時代、そしてスマートフォンの普及でデータ&実物の両方で残す時代へと変化しているのです。
動画共有にも変化が…
今までの動画共有ツールといえば、Youtube、ニコニコ動画、Vimeoが一般的でした。しかし、2013年に行われたSNSの大幅なアップデートによって、それらのツールは一変しました。写真共有ツールとして以前から人気だった「Instagram」が動画対応になり、また海外からは「Vine」の波が押し寄せました。同じアプリ内で撮影&共有を可能にしたことが、爆発的ヒットのカギだといえるでしょう。SNSのように共有こそできないものの、国内発の動画作成アプリ「RoadMovies」は、思い出づくりの新たな形を生み出したのではないでしょうか。
今後生まれるのはiPhone使いのプロカメラマン?
カメラアプリの激戦化により、高機能アプリが続々と出てきます。誰でもプロ級の作品がつくれる土俵が整っているのです。実際に、人気ブランドPaul Smithではスマホで撮影&加工した写真をTシャツにプリントし販売していました。また、ミュージックビデオをスマホのカメラ撮影のみで作成したというアーティストも珍しくありません。プロもお墨付きということがわかりますね。誰でも手軽にクリエイティブな活動ができ、公開する場も山のようにあるとなれば、これはiPhone使いのプロカメラマンが登場するのも時間の問題かもしれませんね。
これ以上の進化はないと思われたカメラアプリ市場ですが、まだまだのびしろはあるようです。2014年は、一体どんな形で私たちの生活に影響を与えるのでしょうか。今後もカメラアプリから目が離せませんね。