「皆の笑顔だけで映画を作りたい」 そんな1967年のオノ・ヨーコの着想から、半世紀が過ぎました。インターネットとSNSの普及に後押しされ、夢のように思われた世界、「笑顔で結ばれた世界」が、手の届くところにあります。もちろんネットの世界と現実の世界が一致するわけではないことは知っています。けれどネットで実現したことは、夢の中の出来事では無いのです。私たちは、怒っているよりも笑顔でいる方が幸せだ、ということを感じることができます。私たちは、変わることができるのです。それが現実の世界を愛と平和で満たす、最初の一歩ではないでしょうか。
現在行われれているのは、笑顔の写真に「#smilesfilm」のハッシュタグを付けてTwitterまたはInstagramにアップロードする、というものです。ハッシュタグで検索すると、世界中の人々がアップしていることがわかります。 Twitterより…
Instagramより…#smilesfilmのWebサイト[http://smilesfilm.com ] で詳細を見ることができますが、このコンセプトをアプリにしたのが、今回リリースされたものです。アプリを起動すると「dream」、「watch」、「smile」の3つのメニューがあります。「dream」 最近アップロードされた場所が、世界地図の上に示されます。地図の上をタップ&ホールドすると、アップロードされた笑顔の写真を見ることができます。「watch」 直近にアップロードされた、世界中の人々の笑顔の写真を見ることができます。「smile」 アプリ内から自分で笑顔を撮影してアップロードできるように、カメラが起動します。オノ・ヨーコのアートの根底にある自己のアイデンティティ確立や他との関連性、それらは「愛と平和」を前提にし、周りが満たされれば自分も満たされる、個は開放されなければならないし、世界を愛と平和で満たさなければならない、というふうに通じていくのではないでしょうか。それはこの「#smilesfilm」からも、充分感じられます。 アプリ紹介の最後に、そんな「愛と平和」へのオノ・ヨーコの前向きさを垣間見ることができる、ジョン・レノンとの出会いの逸話をWikipediaから引用させてもらい閉じたいと思います。 Keep smiling :)ジョン・レノンとの出会いは、1966年11月9日のことであった。ロンドンのインディカ・ギャラリーでのオノの個展『未完成の絵画とオブジェ』("Unfinished Paintings and Objects")の開催前日のプレビュー・ショーに訪れたレノンは、そこに展示されていた作品「天井の絵」("Ceiling Painting (YES Painting)")に惹かれた。それは部屋の中央に白い脚立が置かれており、観客はそれを昇り天井からぶら下がった虫眼鏡を使って、天井に貼られたキャンバスの小さな文字を見るという作品だった。レノンは当時を回想し「もし"No"とか『インチキ』みたいな意地の悪い言葉が書かれていたら、すぐに画廊を出て行ったよ。でも"YES"だったから僕は『これはいけるぞ、心温まる気持ちにさせてくれる初めての美術展だ』と思ったんだ。」と後に語っている。