今回は、超有名なMacフリーソフトの紹介サイト「新しもの好きのダウンロード」の早川さんに「逸品アプリ」を寄稿いただきました。Macサイトを10年以上運営し、数々のMac誌で連載もされている早川さんの逸品アプリはLogMeIn Ignition (Remote Desktop) です。なかなか敷居の高いアプリを分かりやすく解説していただきました!ありがとうございます。「会社のパソコンに保存されている書類を外出先でチェックしたい」「iPhoneでFlashのウェブページを見たい」───。そんな要望に応えてくれるのが「LogMeIn Ignition (Remote Desktop) 」です。 同アプリは、パソコンの遠隔操作を提供するサービス「LogMeIn」のクライアントで、iPhoneやiPadの画面上に離れた場所にあるパソコンのデスクトップをそのまま表示して、マウス操作や文字入力などの遠隔操作が行えます。3G回線にも対応していますので、わざわざWi-Fiスポットを探さなくても、3G回線の電波が届く場所であれば移動中であっても自宅や会社のパソコンにアクセスして操作できます。パソコン上のファイルを開くことはもちろんですが、例えば、行きたいお店のホームページがiOSでは表示できないFlashコンテンツだったという場合に、パソコン上のウェブブラウザを使ってFlashサイトを閲覧するといった使い方もできます。
カテゴリ: 仕事効率化, ユーティリティ
販売元: TeamViewer - TeamViewer GmbH(サイズ: 20.9 MB)
■複雑な設定や専門知識は一切不要
LogMeInの最大の利点は、複雑な設定が要らないことです。iOSデバイスでパソコンを遠隔操作できるアプリには「Mocha VNC Lite」など無料のものありますが、通常はIPアドレスの取得やルーターの設定などが必要なうえに、セキュリティの厳しい会社では利用できないケースも少なくありません。でも「LogMeIn」なら、無料アカウントを取得後、ホームページから入手できる管理ソフトをMacまたはWindows PCにインストールして簡単なセットアップを済ませておくだけで、複雑なネットワーク関連の設定なしで利用できます。ちなみに、パソコンがスリープ状態のときでもiOSデバイスからアクセスすると自動的にスリープを解除する機能を備えていますが、環境によっては正常に機能しないことがありますので、肝心な時に確実にパソコンにアクセスするためにも、あらかじめパソコンをスリープしないように設定しておいたほうが賢明です。 ・まずは準備として、サーバソフトをパソコンにセットアップまずはパソコン上で「LogMeIn」のサイト(https://secure.logmein.com/JP/)にアクセスしたら、右側の「アカウントを作成」をクリックしてFreeアカウントを作成します。メールアドレスとパスワードを入力し「続行」をクリック。次の画面で「ダウンロード」をクリックすると、パソコン用ソフトがダウンロードされます。ダウンロードが完了したらそれをパソコンにインストールしましょう。パソコンの名前などを設定したら準備完了です。■マウスの移動やクリック、ドラッグ、文字入力、ネット越しのコピペにも対応
遠隔操作時は指先だけでマウスカーソルの移動やマウスボタンのクリック、右クリック、ドラッグ、ウインドウのスクロールといった操作が行えるほか、iOSのキーボードを使った文字入力やキーボードショートカットによる操作にも対応しています。さらにパソコンとiOSデバイス間でのクリップボードの転送もサポートしていますので、パソコン上で文字列をコピーしたものをiOSの「メモ」にペーストするといったこともできます。画面サイズはピンチ操作で自由に拡大/縮小できるので、iPhoneのような小さな画面でもある程度までの細かな操作は可能です。画面表示は解像度を選択できるほか、色数も臨機応変に調整できます。 ・iOSデバイス上の「LogMeIn Ignition」でパソコンにアクセスiOSデバイス上で「LogMeIn Ignition」を起動したら、先ほど作成したFreeアカウントのメールアドレスとパスワードを入力して「Log Me In」ボタンをタップします。パソコン上で入力した機器名が表示されたらそれをタップし、右側に現れる3つのボタンのうち左のボタンをタップします。パソコンのログイン用のユーザ名とパスワードを入力します。続いて操作方法のヒントが表示されたら、ひと通り目を通して「コンピュータの使用を続行」ボタンをタップします。 ・指を使ってパソコンを遠隔操作。パソコンとiOSをまたいでのコピペも可能。iOSデバイスにパソコンの画面が表示されます。指一本でマウスカーソルが移動し、タップするとクリックされます。そのほか、ダブルタップしてスライドするとドラッグ、2本指でスクロールなどの操作が可能です。パソコン上でのコピー&ペーストはもちろん、パソコンとiOS間のコピペにも対応しています。 ・日本語入力も可能(ただしテンキーでのフリック入力は問題あり)画面下のツールバーの左端のボタンをタップするとキーボードが表示され、英数字や日本語入力が可能です。なお、テンキーでのフリック入力時に「小文字」キーが使えないという不具合があります(執筆時現在)。しかし、パソコン側で入力モードを日本語にしておけば、英数キーボードでのローマ字入力+スペースキーでの変換操作によって日本語入力は可能です。 ・フラッシュ系サイトをiOS上で閲覧できるパソコンにAdobe Flashプラグインがインストールされていれば、iOSのSafariでは閲覧できないフラッシュを使ったウェブサイトを、パソコン上のブラウザ経由で閲覧できます。以前よりかなり減りましたが、いまだにフラッシュを使ったページは根強く残っていますので、非常時のフラッシュサイトの閲覧手段として覚えておいて損はないでしょう。 ・iPadの操作性に近づける「スクロールモード」の初期状態は、画面の空いている場所でトラックパッドを操作するように指をスライドしてマウスカーソルを移動させる「マウス移動」に設定されています。これを「画面移動」に切り替えると、マウスカーソルは固定した状態のまま背後の画面を移動して操作できるようになります。また「直通」に切り替えると、画面上のタップした場所までマウスカーソルが直接ジャンプし、iPadの操作性に近い感じになります。インターネット越しの遠隔操作は、回線速度によってもたつきやタイムラグが生じることがあります。遅すぎて使いづらい場合は「色の品質」を「グレースケール」に切り替えると大幅に改善されるでしょう。■パソコン上のファイルをiPhone/iPadに転送できる
「LogMeIn Ignition」は画面を遠隔操作できるだけでなく、パソコンとiOSデバイス間でファイルを転送する機能も備えています。例えば、商談用のプレゼン資料を会社のパソコンに忘れてしまったような場合に、わざわざ取りに戻らなくても移動中にiPadからLogMeInでパソコンにアクセスすれば、必要なファイルをダウンロードできます。インターフェイスに少々クセがあるため最初は戸惑うかもしれませんが、①転送したいファイルを選択した状態で下の「コピー」または「移動」ボタンをタップ、②画面を切り替えたら転送先フォルダを開く、③「ここにドラッグ」をタップ──という手順です。この仕組みは少し触ればスグに理解できるかと思います。ファイル転送を行うには、画面下のツールバーの「×」から一旦セッションを終了して「マイコンピュータ」画面に戻り、3つのアイコンのうち中央のボタンをタップします。例えばパソコン上のファイルをiOSデバイスにダウンロード(コピー)したい場合、パソコン上のフォルダを開いて転送したいファイルを選択したら、下の「コピー」ボタンをタップします。次に「ローカルファイル」と書かれたサムネイル画面をタップして、保存先フォルダを開いた状態にしたら、吹き出しのようなアイコンの「ここにドロップ」をタップするとファイルがコピーされます。■競合アプリは?
「LogMeIn Ignition」は非常に便利ですが、導入の最大のネックとなるのが2,600円というアプリ価格ではないでしょうか。ごくたまに使いたいだけの人には高価に感じるでしょう。そこで試して欲しいのが「TeamViewer」です。こちらもLogMeInと同様に、複雑な設定をしなくても簡単にiOSデバイスからパソコンを遠隔操作できます。ひとつ注意が必要なのは、TeamViewerを無料で利用できるのは「個人での利用」に限られ、商用で使う場合は上位版の「TeamViewer Pro」(8,500円)を購入する必要があるという点です。個人利用のみの人には無料の「TeamViewer Pro」がお勧めですが、個人でも仕事でも使うなら「LogMeIn Ignition」のほうがリーズナブルと言えます。 TeamViewer for Remote Control 7.0.9391(無料)カテゴリ: 仕事効率化, ユーティリティ
販売元: TeamViewer - TeamViewer GmbH(サイズ: 20.9 MB)
TeamViewer Pro for Remote Control 7.0.9391(¥8,500)
カテゴリ: 仕事効率化, ユーティリティ
販売元: TeamViewer - TeamViewer GmbH(サイズ: 20.8 MB)
(あとがき) アプリ解説の範疇からは外れるため余談となりますが、「LogMeIn」はiOSデバイスではなくパソコンを使っての遠隔操作も可能です。さらに特筆すべき点は、特別なソフトをインストールしていないパソコンからでも、汎用のウェブブラウザ上で遠隔操作ができてしまうことです。もちろんWindowsとMacの両方に対応しています。もし何らかの理由でiPhoneやiPadが使えないときに、どうしても自分のパソコンを操作しなければならないときは、近くのインターネットカフェに駆け込んで、店のパソコンからウェブブラウザを使って自宅や会社のパソコンを遠隔操作できます。一度試しておくと、万が一の時に重宝するかもしれませんよ。 LogMeIn Ignition (Remote Desktop) 2.2.380(¥2,600)
カテゴリ: 仕事効率化, ビジネス
販売元: LogMeIn, Inc. - LogMeIn, Inc.(サイズ: 13.8 MB)
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