《無題(アーチ状の黄色いフィギュア)》(1985)
山梨の中村キース・ヘリング美術館にて、2025年6月7日(土)に「Keith Haring: Arching Lines 人をつなぐアーチ」が開幕。
2026年5月17日(日)まで、キース・ヘリングの没後35年を記念し、彫刻作品に焦点を当てる展覧会が開催されています。
新たに収蔵された、全長5メートル超の彫刻は必見!
また同時開催されている、中村キース・ヘリング美術館を設計した建築家・北川原温の「北川原温 時間と空間の星座」にも注目です。
中村キース・ヘリング美術館で「Keith Haring: Arching Lines 人をつなぐアーチ」が開催中
2007年、山梨県北杜市小淵沢町に創設された「中村キース・ヘリング美術館」。「この大自然の中に美術館があるの?」と驚いてしまうほど、豊かな自然の中に位置しています。
小淵沢駅までは、新宿駅より中央線特急で約2時間。駅からは美術館までは、タクシーで約8分です。
都内から2時間ほどのため、週末の小旅行にもぴったり。自然豊かな場所でアート鑑賞ができますよ。

展示風景
「中村キース・ヘリング美術館」は、青々とした新緑や草花の中で、キース・ヘリングの作品を楽しめるのが特徴。
ニューヨークで生まれたヘリングと、山梨の自然はかけ離れているように思われますが、八ヶ岳南麓には5000年から10000年前に栄えた縄文文化があり、ヘリングが影響を受けたアフリカや先住民族の芸術や文化との、共通点があるといいます。

展示風景
現在開催されている「Keith Haring: Arching Lines 人をつなぐアーチ」は、ヘリングの彫刻に焦点を当て、独自の美学と哲学に基づく造形表現を紹介する展覧会。
「線のアート」で知られるヘリングが、なぜ彫刻という表現手法に取り組んだのか、その経緯を辿る内容となっています。
館内には、あえて作品の解説をあまり配置していないそう。展示室では、ぜひじっくりと作品をありのままに感じてみましょう。
気になった作品は、会場限定のブックレット(税込500円)でチェックしてみてくださいね。
新たに収蔵された《無題(アーチ状の黄色いフィギュア)》は必見

《無題(アーチ状の黄色いフィギュア)》(1985)
本展で特に注目すべき点は、新しく「中村キース・ヘリング美術館」に収蔵された《無題(アーチ状の黄色いフィギュア)》です。
1985年に制作された彫刻作品で、ヘリングの彫刻制作の出発点となった作品のひとつ。長らく個人コレクターが所蔵していたため、公開の機会が限られていた、貴重なものだといいます。
完成当時はニューヨークの公園などに設置され、子どもが遊んでいたという本作。見る時間や、見るアングルによって、さまざまな印象を受けるため、ぜひ子どものようにお気に入りの角度を探してみてくださいね。

展示風景
ヘリングといえば、「ユニクロ」のデザインで見たことがある人も多いはず。
太くて均一な線が特徴的ですが、本展では線から面へ、そして立体へと発展していくへリングの造形表現に着目しています。

展示風景
ヘリングはポップな印象がある一方で、実はダークな一面も。暗い部屋から始まり、開放的な明るい部屋まで、展示室にもさまざまな工夫が施されています。
平面作品と立体作品を比べながら、鑑賞していくのもおすすめですよ。

展示風景
また期間限定で、1983年に蛍光塗料を用いて制作されたペインティング《無題》と版画作品《無題》が、ブラックライトのもとで展示されています。
会期中の毎週土曜日・日曜日と祝日の13:00〜14:00に、ライトアップ展示を実施。
明るい空間で見る作品とは異なる、サイケデリックな空気を思わせる世界観を楽しんで。
同時開催の「北川原温 時間と空間の星座」や周辺ホテルもチェック

展示風景
中村キース・ヘリング美術館を設計した、建築家・北川原温さんの美術館における初個展「北川原温 時間と空間の星座」も同時開催中です。
美術館は、外から見てもかなり造形が特徴的。館内を回っていても、その空間の作り方がユニークで、ヘリングの作品をより際立てています。

展示風景
本展では創作のソースを「星」、建築を「星座」に見立て、その方法論や生成の過程を紹介。
北川原さんの個展を見てから、再度ヘリングの展示室部分を回ってみると、また作品の感じ方が変わるかもしれません。
美術館の建築は、外から見てもユニーク。「さかしまの円錐」といわれる部分のほか…
屋上に設置されたハートの鏡なども、ぜひ見てみてくださいね。
美術館のすぐ近くには、同じく北川原さんが手がけた「ホテルキーフォレスト北杜」も。美術館を訪れた際は、自然に溶け込むホテルの姿も要チェックです。
Keith Haring: Arching Lines 人をつなぐアーチ
場所:中村キース・ヘリング美術館(山梨県北杜市小淵沢町10249-7)
会期:2025年6月7日(土)〜2026年5月17日(日)
開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日:定期休館日なし ※臨時休館についてはウェブサイトをご確認ください。
観覧料:大人 1500円/16歳以上の学生 800円/障がい者手帳をお持ちの方 600円/15歳以下 無料
公式サイト:https://www.nakamura-haring.com/exhibition/14550/


