東京・上野の東京都美術館にて、「ミロ展 Joan Miró」が2025年3月1日(土)に開幕。
90歳で亡くなるまで制作活動を続けたミロの、70年にもおよぶ活動全体をふり返る展覧会です。この規模の回顧展は、ミロ自身が協力した1966年の展覧会に匹敵するほどなのだとか。
各時代によってさまざまな画風やスタイルに挑戦した、彼の多岐にわたる作品を一度に楽しめます。
本展の見どころや注目のグッズを、まとめてご紹介。学生は無料で観覧できる日もあるから、要チェックです!(写真はすべて内覧会にて撮影)
東京都美術館で「ミロ展 Joan Miró」が開催

展示風景
2025年3月1日(土)〜7月6日(日)の期間で開催される、「ミロ展 Joan Miró」。
ジュアン・ミロは1893年にスペイン・カタルーニャ州で生まれ、ピカソと並び20世紀を代表する巨匠に数えられる画家です。
学校卒業後、父親の希望から会計の仕事に就いたミロ。しかし病気を発症し、画家としてのキャリアをスタートさせます。

《自画像》1919 油彩/カンヴァス 73x60cm ピカソ美術館、パリ Successió Miró Archive
本展では初期の名作から、晩年の反骨的な作品、そしてオブジェまで各時代を代表する作品が集結。
90歳で亡くなるまで新しい表現へ挑戦し続けた、ミロの芸術を包括的に紹介しています。

展示風景
『第1章 芸術への決意:若きミロ』『第2章 田園地帯から前衛の都へ:パリ – モンロッチ』『第3章 戦争の時代を背景に:逃避と詩情』『第4章 内省を重ねて新たな創造へ:夢のアトリエ』『第5章 絵画の本質へ向かって』の5つの章に分け、作品を展示。
最後には『政治的な取り組み、社会的、ミロの文化的』と題し、ポスター作品も並べられています。
時代によって表現方法や描き方もガラッと変化しているため、そこにも注目してみてくださいね。
ミロ展の見どころは?〈星座〉シリーズは必見

《絵画(カタツムリ、女、花、星)》1934 油彩/カンヴァス 195x172cm 国立ソフィア王妃芸術センター、マドリード Donation of Pilar Juncosa, 1986 Successió Miró Archive
「ミロ展」では100点近い作品が展示されており、見応えばっちり。
その中で特に注目したいのが、彼の代表作として挙げられる1940年から41年にかけて描いた〈星座〉シリーズです。

《カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち》1940 水彩、グアッシュ/厚い水彩用網目紙 37.9x45.7cm フィラデルフィア美術館 Philadelphia Museum of Art: The Louis E. Stern Collection, 1963-181-46 Successio Miro Archive
歴史的な戦争などの流れから、生活が厳しかったこの時代。戦火を逃れながら、夜や音楽、星を着想源にして、全23点が描かれたといいます。
今回はそのうち、3点が来日。現在、シリーズの各作品は世界中に散らばっているため、複数の作品をまとめてみられる貴重な機会なんです。

展示風景
〈星座〉シリーズの展示スペースは少し暗くなっており、暗い夜空に星空が浮かび上がっているみたい。
繊細な色使いや、鳥や星、はしごなどのモチーフに注目して、鑑賞してみてくださいね。

《焼かれたカンヴァス2》 1973 アクリル/カンヴァス 130x195cm ジュアン・ミロ財団、バルセロナ
晩年になっても、新作に精力的に取り組んだミロ。
《焼かれたカンヴァス2》は白いキャンバスに絵の具を垂らし、踏みつけ、ナイフで切り刻むなど、斬新な方法で描かれています。
そして最後にはガソリンを染み込ませて、火をつけて破壊するという、型破りな手法を用いているのだとか。

《花火I,II,Ⅲ》1974 アクリル/カンヴァス 各292x195cm ジュアン・ミロ財団、バルセロナ Fundacio Joan Miro, Barcelona.
大きなキャンバスを3つ繋げた《花火I,II,Ⅲ》は、高さが約3mと迫力もたっぷりです。黒い絵の具で描かれた力強い部分と、小さくあしらわれた原色カラーのバランスに、不思議と引き込まれてしまいそう…。
岩田剛典さんがナビゲーターを務める音声ガイドを使えば、よりミロの歴史や作品を深く知ることができますよ。
解説や音楽を聴きながら、作品の世界に浸ってみてくださいね。
たくさん集めたくなる、グッズのラインナップをチェック!
展示を見終わったら、グッズ売り場も忘れずにチェックしておきましょう。
展示会オリジナルグッズのほか、ミロの故郷・スペインからの輸入雑貨も販売されています。
「ミロ展公式図録」(税込3600円)は、本展出品作の油彩、陶芸、彫刻、ポスターなど、約100点をフルカラーで掲載。
ミロの特徴的な赤、青、黄の3種類の表紙タイプがラインナップしています。
「ノート」(税込1100円)は、東京下町の製本所で作られた上質なノート。ペタッと平らに開き、使いやすいといいます。
カラフルな「マグネット」(税込660円)は、冷蔵庫などにペタペタ貼ってもかわいくなりそう。
ほかにもTシャツやポストカード、アクセサリー、おしゃれな輸入雑貨などが豊富にそろっていますよ。
魅力がたっぷり詰まった「ミロ展」は一見の価値あり。なんと、大学生・専門学校生は、3月1日(土)~16日(日)に限り無料で入れちゃうんです!
この機会にアートを楽しんでみてはいかがでしょう。
ミロ展 Joan Miró
場所:東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)
期間:2025年3月1日(土)〜7月6日(日)
開館時間:9:30~17:30、金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
休館日:月曜日、5月7日(水)※ただし4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開館
料金:一般2300円、大学生・専門学生 1300円
公式サイト:https://miro2025.exhibit.jp/


