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今週のおひつじ座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
移り変わりを促す
今週のおひつじ座は、自身の人生や生活を裏から支えてくれる存在や場所に、改めて敬意と感謝を捧げていこうとするような星回り。
日本人の心のありようについて探求し続けた河合隼雄は、エラノス会議での講演をまとめた『夢・神話・物語と日本人』の中で次のように自説を述べています。
「月の神は非常に重んじられているけれども、それは神々の中心に位置していながら、何もしないという逆説的な役割を担っていることによるのである。(…)このトライアッド(三神一組)のうちの他の二つの神である太陽の女神も嵐の女神も、日本の神々の中心の神となる役割を担いきれていないということである。」
あなたもまた、自分なりのトライアッドの最も目立たない部分にこそ、意識を向けていきたいところです。
今週のおうし座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
大局観をもつ
今週のおうし座は、あさっての方向に飛んでいく自身の活動の軌跡を思い描いていくような星回り。
『春空の思はぬ方に靴飛べり』(守屋明俊)という句のごとし。
転がってきたボールか、道に落ちていた缶かなにかを思いきり蹴飛ばしたら、ついでに靴も脱げてあさっての方向に飛んでいってしまった。そんな瞬間に、見上げた空がすっかり春の空になっていたよ、という一句。
あなたもまた、大きくカーブを描くように展開されていく今後の人生を明るく思い描いてみるといいでしょう。
今週のふたご座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
根と節制
今週のふたご座は、欲望のあり方そのものを整えていこうとするような星回り。
『ニコマコス倫理学』では、ありうべき行為の選択を繰り返し行っていく中でこそ回路が形成されていくという意味で、徳と技術は似ているということが述べられているのですが、だからといってアリストテレスは、私たちはちょっとした思い付きや心がけ程度で自分の性格や生き方を自由自在に築き上げていくことができるとまでは言っていません。
というのも、私たちは正義であれ勇気であれ節制であれ、性格や生き方をどうにかしたいと思い直したときには、ニュートラルな状態にはなく、徳と悪徳の組み合わせによる、ある種の傾向を身につけてしまっているからです。
あなたもまた、「自分に必要なものを程よいバランスで欲する」ことを念頭に、今の自分にはどんなコミットが足りてないのかを考えていくべし。
今週のかに座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
腹を決める
今週のかに座は、最後に自分のもとに残るであろう感情に全集中していこうとするような星回り。
『死を怖れざりしはむかし老の春』(富安風生)という句のごとし。作者が92歳の年の早春に詠まれた一句。若かった頃はともかく、年老いた今となっては死が怖いのだという率直な気持ちがこめられています。
とはいえ、では若者はみな死が怖くないのかと言えば、そうではないでしょう。実際、1885年生まれの著者はその生涯で多くの戦争や関東大震災を経験しましたし、20代の頃には結核で職を辞し、サナトリウムで療養生活を送っていたこともありました。いずれも、間違いなく作者にとって死を強く意識する経験だったはず。
あなたもまた、そんな作者と同じく、できうる限り体面や世間体など捨て去っておのれの実存の行方をこそ追っていくべし。
今週のしし座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
滅びの美学
今週のしし座は、ただ情欲を満たすのでなく、恋をした時の感覚を取り戻していこうとするような星回り。
仏教には「観想」というイメージトレーニングの瞑想修行の伝統があり、その中に人体が死後に膨張し、腐乱して蛆がたかり、野良犬やカラスに食い荒らされて、やがて白骨となるまでのプロセスを九段階に分けて観想することで、煩悩を防ぐというものがあります。
朽ちてゆく亡骸には、凄惨でありながらもどこか人を魅了する美しさがありますが、それは見る者がそうした死のプロセスに、自然へ還り万物循環をめぐらしていく上での、滅びの美学を重ねるからでしょう。
今週のしし座もまた、もしそうした瞬間に不完全燃焼に終わらないよう、悔いなく、今を完全燃焼させていきたいところです。
今週のおとめ座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
ふれあい
今週のおとめ座は、無言のうちに共鳴しあっていくうちに、関係が不意に深まっていくような星回り。
『受験期や少年犬をかなしめる』(藤田湘子)という句のごとし。
「かなしめる」は「悲しんでいる」わけではなくて、「愛しくする」の意。子供の受験に夢中な一家の誰からもかまわれずほっぽらかしにされている犬と、どこか蚊帳の外の置かれて疎外感を感じている少年とのあいだに、奇妙な友情ようなものが生まれているシーンなのだとも言えます。
あなたもまた、そうした奇妙で、でもどこかホッとするような関わりを大切にしていくべし。
今週のてんびん座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
ごく平凡なことを成し遂げる
民藝運動の父・柳宗悦は、日本全国をめぐって各地の手仕事に触れた経験をもとに『手仕事の国』という民藝案内書をまとめ、そのなかで、彼は日本がいかにすばらしい手仕事の国であることへの認識を呼びかけましたが、同時に「工藝の美しさはどんな性質のものでなければならないのか?」という問いを立て、みずから次のように答えていました。
「どんな性質の美しさも、「健康」ということ以上の強みを有つことは出来ません。なぜかくも「健康さ」が尊いのでしょうか。それは自然が欲している一番素直な正当な状態であるからと答えてよいでありましょう。」
てんびん座もまた、柳が言わんとした「健康美」ということを、どこでなら成立させられるか、改めて考えてみるといいでしょう。
今週のさそり座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
狭く深く遅く
今週のさそり座は、時間の流れの速さではなく遅さをこそ愛でていこうとするような星回り。
『この谷の梅の遅速を独り占む』(高浜虚子)という句のごとし。
作者は「この谷」を空間としてだけでなく、時間の流れとして独占する、すなわち梅林が咲いていく喜びや充満するいのちの香りを全身で感受している気分に浸っていたのであり、それは最も深い愛情表現とも言えるのではないでしょうか。
あなたもまた、「下待つ」や「松が根」といった言葉を用いるのにふさわしい対象に、できうる限り全力で向き合っていきたいところです。
今週のいて座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
偶然の個人化
今週のいて座は、自らの過去を振り返り、「他でもありえたかもしれない」地点にまで戻っていこうとするような星回り。
歴史学者・與那覇潤の『歴史が終わるまえに』を参考にすれば、20世紀半ばまでは人類が資本制を捨て共産制へと進んでいくことを必然とする「歴史観」が当り前のように前提とされていたのが、米ソ冷戦期の後半から次第に市場競争に基づく新自由主義への転換こそが時代の必然とされるようになっていき、21世紀頭にはそれが広くコンセンサスを得るようになったのだと言います。
しかし、そうした歴史観をこんにち素朴に信じている人はもはやほとんどいないでしょう。歴史の必然化につぐ必然の個人化が進むにつれて、他者に対する共感や慈しみを失わせていった結果、そこを越えたらもう社会という共同性を営めなくなる臨界点へと日本社会はもうとうに達しているのかも知れません。
あなたもまた、物事や人生にあまりに「一貫したストーリー」を求めすぎるのをやめ、「生まれのたまたまや、出会いのたまたまからこそ、むしろ濃密な意味が立ち上ってくる」という観点に改めて立ち返ってみるといいでしょう。
今週のやぎ座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
まず虚に居る
今週のやぎ座は、自身や周囲の好機嫌を育てる言葉を発していこうとするような星回り。
『狙(さる)も来よ桃太郎来よ艸(くさ)の餅』(小林一茶)という句のごとし。
ここで思い出されるのは、俳句の極意について語った松尾芭蕉の「実に居て虚にあそぶ事はかたし」という言葉。“遊ぶ”とは、俳諧の自在な境地で言葉を繰り出していくことを言うのですが、本当は心で感じているものなんて何も無いのに、言葉や現象をこねくり回して情趣らしきものをでっちあげたらダメだ(かたし)と言っているんです。
あなたもまた、自身がまず「虚に居る」という感覚を深めていくところから始めてみるべし。
今週のみずがめ座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
冷たいロマン主義
今週のみずがめ座のテーマは、自身を実験台に「ルールなんてぶっ壊せ!」というスローガンを実行していこうとするような星回り。
あるとき右足の痺れからMND(筋萎縮性側索硬化症)と診断され、61歳にして余命2年を宣告されたピーターは、ロボット工学の博士号をもつ科学者であり、その後に下した判断も普通とは少し違っていました。彼は恐怖と怒り、そして絶望に苛まれながらも、それとは別種の感情が自分のなかで湧きおこり始めたことに気付いたのだそう。
ピーターは自身の置かれた状況を“実地で研究を行う、またとない機会”と解釈し、大胆にも人類初のAIと融合したサイボーグとして生きる覚悟を決めていったのです。
あなたもまた、どうしたらただ生き延びる代わりに身をもって行う冒険に出れるのか、とことん考えてみるといいでしょう。
今週のうお座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
極私的生命讃歌
今週のうお座は、不意に、思いがけない方へと飛ばされていくような星回り。
『春埃うつすら手相見の机』(志磨泉)という句のごとし。
春は出会いと別れの季節であり、新天地への期待と不安に胸をふくらませる頃合いであると同時に、頭のヘンな人が出てくる困った時期でもあり、手相見が机を置くような路上というのは、そうした人たちが跋扈跳躍する舞台なのだと言えます。
あなたもまた、春風にのって地表上を舞い飛ぶ粒子となったつもりで過ごしてみるべし。
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