isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2023年下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
火を絶やすな
今週のおひつじ座は、自分の中にかつての奮戦の火を再び灯そうとしていくような星回り。
『信じる勇気大き焚火に柴足して』(矢口晃)という句のごとし。
「大き焚火」とは特別な種類の“火”を暗示しており、それはより偉大な“明日”を打ち立てるため、自然に生きている“いま”を燃やす火であり、未来志向の火なのです。過去の蓄積に根ざしながらも、より偉大で、より力強い文明を生み出せるはずだと「信じる勇気」が、柴を足され大きくなる炎と呼応するように増していく。
あなたもまた、そんな未来志向の火を大きくしていくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のおうし座の運勢
おなじ船の乗組員として
今週のおうし座は、憎しみや疎ましさを超えて改めて絆を手繰り寄せていこうとするような星回り。
飛行機の操縦士であり作家であったサン=テグジュペリの『人間の大地』には、「飛行機とともに、われわれは直線を知った」という一文が出てきます。
また「おなじ遊星によって運ばれるわたしたちは、連帯責任を担っているし、おなじ船の乗組員だ。新しい綜合をはぐくむために諸文明が対立するのはよいことだが、たがいに喰い合いをするなどとんでもないことだ。」(堀口大學訳)とも書いており、こうした文章が1939年に発表されていたことを知ると、私たちは愕然とせざるを得ないのではないでしょうか。
あなたもまた、こうした飛行士の視点に通じるところから、改めて地上に生きる自分が担うべき責任ということを改めて問い直してみるといいかも知れません。
今週のふたご座の運勢
互いを取り込みあう渦の中へ
今週のふたご座は、意識的防衛をすり抜けて、脳が直接的に想起させられていくような星回り。
『くちびるに湯豆腐触れぬ吹きをれば』(榮猿丸)という句のごとし。
レンゲにのった湯豆腐と、口を尖らせた際のくちびる。2つのまったく異なるもの同士が触れ合うことで生まれるさりげなく、柔らかなドラマは、読者にかつて自身が体験したあたたかな接触の記憶を思い出させてくれるはず。
あなたもまた、リアルな手応えの喜びを求めていくことになるでしょう。
今週のかに座の運勢
業をわが手に抱いて
今週のかに座は、みずからの業の深さを改めて思い知っていくような星回り。
「佛の教えは毛穴から」という言葉は、作家の車谷長吉が30歳の時に東京で身を持ち崩し、無一文で郷里へと逃げ帰った時、実際に母親に言われた一言なのだそうです。
言われた当時はピンとこなかったそうですが、その後9年間にわたり住所不定で関西各地のタコ部屋を転々とする日々を送るうち、少しだけ身に沁みてきたのだと。
あなたもまた、自分が日々何を毛穴から沁みさせているのか、改めて振り返ってみるといいでしょう。
今週のしし座の運勢
現実を超えてそこにあるもの
今週のしし座は、自身の生き様を積極的に虚構化していこうとするような星回り。
『寒鴉己(し)が影の上(へ)におりたちぬ』(芝不器男)という句のごとし。
いかに冬の微弱な太陽とはいえ、光あるところには必ず影が生まれるもの。その一瞬の出来事を見逃さなかった作者の眼には、どこか鬼気迫るものさえ感じます。
あなたもまた、自身の人生を賭けてメイクドラマしていく瞬間が訪れるはず。
今週のおとめ座の運勢
秘密と物語とその成熟
今週のおとめ座は、時間をさかのぼる旅をしていくような星回り。
臨床心理学者の河合隼雄は、70歳のある女性が「五十年前に人を傷つけるようなことをしたため、そのことを最近になって人から責められているような気がする」という訴えで来談した事例を取りあげ、秘密ということの大切さに触れていました。
医者の勧めもあって彼女ははじめて夫に秘密をうちあけると、夫は「聞いてくれただけでなく、夫の方の苦しみなども聞く機会になった。夫婦でいながら互いにやはり一人一人苦しみを背負った人間だと思った」という展開につながり、思いがけず治療は進んでいったのだとか。
あなたもまた、安易に言葉にして発散してしまう代わりに、身体がそれを受け止めきって“然るべきタイミング”を訴えてくるまで秘密にしていくという態度が求められていきそうです。
今週のてんびん座の運勢
口から何かがほとばしる
今週のてんびん座は、矛盾する正反対の心理や傾向性が不思議と同居していくような星回り。
『暖炉ぬくし何を言ひだすかもしれぬ』(桂信子)という句のごとし。
外面的にはひどく静かであるにも関わらず、内面的にはいたって騒がしくもあり、また、ぬくぬくとバターのようにこわばりがとけていく心理と、ひやひやして肝が冷えていくような心理といった正反対のものが奇妙に混在し、それが場に漏れ出し、浸食していくさまを、掲句は鋭い観察眼で写生してみせてくれているのだとも言えます。
あなたもまた、卒のない言葉の応酬や予定調和的な会話の流れからはみ出していくような動きにみずから呼応しようとしていくところがあるでしょう。
今週のさそり座の運勢
力の充満へ
今週のさそり座は、あえて過去を切断せずに、自分が感じているさまざまな情報のすり合わせに時間をかけていこうとするような星回り。
現代社会では何かしら自分たちの身に不幸に見舞われたり、つらい出来事が起きると、どこかで区切りをつけて「前向きに進んでいく」ことをよしとする傾向がありますが、哲学者の國分功一郎は『<責任>の生成―中動態と当事者研究』の中で、そこで無意識的に行われる「過去を自分から切り離そうとする」ことこそが、すなわち「意志」というものの本質に他ならないのだと述べています。
そして、國分は「意志という概念こそ『薬物的』なのではないか」と指摘してみせるのです。
あなたもまた、過剰な意志依存をいったん落ち着かせるべく、意志がもたらすある種のパターナリズムを解除して、かすかな違和感やまとまらなさに踏みとどまってみるべし。
今週のいて座の運勢
こんがらがった思考をほどく技術としての写生
今週のいて座は、変に凝り固まっていた思考がほどけていくような星回り。
『遊船の冬暖かきパリの旅』(コンラッド・メイリ)という句のごとし。
1943年の「新美術」という美術雑誌に掲載されていたという作者の文章で、そこには日本の若き芸術家へ向けて、日本ではスケッチをデッサンだと思われているが、絵画ではデッサン(素描)をしっかりやるべきだという旨が、俳句における写生の重要さに触れつつ述べられているのです。
あなたもまた、そうした感動と映像化をめぐる一連のプロセスをたどっていくことになるでしょう。
今週のやぎ座の運勢
失われたものを求めて
今週のやぎ座は、ここで抜け道や最短ルートを取るのではなく、あえて壮大な回り道をしていこうとするような星回り。
かつて「人間はいまや流行遅れになりはじめた」とうそぶいてみせた思想家エミール・シオランは、生誕こそが、死にまさる真の災厄だという古代人的な発想を通奏低音に一冊の本を書き上げ、それに直訳すれば「生まれたことの不都合について」という題をつけました。
彼が提示した人間の営為との向きあい方には、資本主義や民主主義のほころびが明らかになりつつある今こそ、ますますその重要度が増しているように思います。
あなたもまた、自身のものであれ社会全体のものであれ、負の遺産を負の遺産として受け止めつつ、「敗者」だからこそ見出すことのできた偶発的なものや無意味なもの、微細なものをひとつひとつ手に取ってみるといいでしょう。
今週のみずがめ座の運勢
もう一度卵へ
今週のみずがめ座は、身近な界隈に潜んでいる悪をきちんと悪として認識していくような星回り。
『八方の枯れをうかがふ女郎蜘蛛』(宮田千鶴子)という句のごとし。女性である作者にとって、女郎蜘蛛とは自分の身に流れるサガの行き着く果てを暗示したものなのか、それとも身近な人間関係や関係組織のなかに紛れ込んでいる身中の虫の姿なのか。
少なくとも、日本経済が一段と厳しくなった冬の時代に突入していると言われる今のご時世にあって、人の生き血を吸うことばかり考えている輩は、どこの界隈でもウヨウヨしているのではないでしょうか。
あなたもまた、遠ざけたり、対決していくべき存在は、うやむやにしたまま放置するのでなく、改めてその脅威や対処法について考えを深めていくべし。
今週のうお座の運勢
黙って跪いて手を合わせる
今週のうお座は、理屈を超えたところで、「命」や「自然」を何かと軽視しがちな時代の風潮に抗っていこうとするような星回り。
普段から宗教的な教えや習俗をことさら意識しない人でも、誰かが亡くなった痕跡に不意に直面すると、なぜだか手を合わせたくなるのはなぜでしょうか?
頭でどうこう考える以前に、身体的レベルで特定の人間をこえて自然や宇宙に対して返してしまう「普遍的な挨拶」であるという、宗教学者の山折哲雄の視点を積極的に言い換えれば、挨拶が自然と習慣化されていけば、本来の意味でのいのちの感覚を深めていくこともまたできるのではないでしょうか。
あなたもまた、自分なりの現実との向きあい方をめぐって、ひとつ「挨拶」というところから見直してみるといいかも知れません。
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