isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2023年下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
子どもだましには付き合わない
今週のおひつじ座は、自分の一部が生まれ変わる神聖な瞬間に立ち会っていくような星回り。
『子ども来て絵本くべたる焚火かな』(栄猿丸)という句のごとし。
この「子ども」は、いつか焚き火の炎のなかに、かつて幼い自分が絵本を介して触れたキャラクターたちや心象風景をふたたび見出すことでしょう。そう考えると、「焚火にくべる」とは、みずからの大切な一部を一時的に別のところへ預けておくということでもあるのかも知れません。
あなたもまた、今まさに火にくべるにしろ、炎の中に何かを再び見出すにしろ、大人の目に見えない領域に接していくことになるでしょう。
今週のおうし座の運勢
謎と閃きの紙一重
今週のおうし座は、改めて深い「謎の感覚」を人生に取り戻していこうとするような星回り。
20世紀を代表する宗教学者のルドルフ・オットー。
彼は神の幽暗で不可解なあり方に深く分け入り、神学が提示する神の合理的側面(「信じる者は救われる」等)に対して、非合理的側面を強調し、それは人間の神に対する戦慄的畏怖(ヌミノーゼ)において立ち現れるものと分析しました。
あなたもまた、何かを問うという行為を「謎の感覚」とどこまで連動させることできるかどうかを、少なからず問われていくはず。
今週のふたご座の運勢
面倒を丁寧にかける
今週のふたご座は、面倒なわだかまりや引っかかりをほどいていこうとするような星回り。
『落葉して猫太りしか抱いてみん』(藤田哲史)という句のごとし。半砂漠地帯にルーツをもつ猫は、もともと寒さに弱い動物。飼い主たるもの、猫の自然界への適応ぶりを察して、さりげなく手助けしてあげるくらいの器量は備えておきたいところです。
しかし、本当のところは、それも単なる口実で、作者は単に猫を抱いてみたかっただけかも知れないという推測も打ち消せません。というのも、人間というのは本質的に、さりげなく察したり、手助けしたりできるような器用でスマートな存在というだけでなく、何をするにも口実を必要とする面倒な生き物だから。
あなたもまた、暗黙の了解としての“口実”を、いつもより少しだけ素直になって口にしてみるといいでしょう。
今週のかに座の運勢
さながら捨つべき
今週のかに座は、コウモリと共に活動を始めるくらいのつもりで過ごしていくような星回り。
精神科医・中井久夫の「世に棲む患者」という概念は、患者を制限の多く抑圧的な「世の中」の“普通”に適応させるのではなく、むしろ「世の中」それ自体をもっと多層的なものとして捉え、その中での特異性を発明しつつ生き延びる人々を肯定するために使われたもの。
まさに、自分のことをカナダで「もっとも経験を積んだ世捨て人」と呼んでいた天才ピアニスト、グレン・グールドのような人のための言葉と言っても過言ではないでしょう。
あなたもまた、今季のかに座もまた、グールドのように生き延びるために“異常さ”をつぎつぎと発明するくらいの気概が欲しいところです。
今週のしし座の運勢
循環を促していく
今週のしし座は、あらぬ方角からの作用をこそきちんと受けとめていくような星回り。
『ニュータウンの短き坂よ木の実降る』(宮本佳世乃)という句のごとし。
どことなく『平成狸合戦ぽんぽこ』の世界線を思わせる一句。落ちているどんぐりをひたすら拾い集めることに無心になれた日々ははるか遠く記憶の彼方。とはいえ、そうした日々の感覚をよみがえらせるためのスイッチというのは、案外ふだんは素通りしているような何気ない日常の中に転がっていたりする。
あなたもまた、ほんとうは自分の身ひとつとっても、自分だけではどうすることもできず、人の手を借りるのでも足りず、土地や自然や記憶などに支えられギリギリのところで倒れずに済んでいるのだということを、改めて胸に刻んでいくべし。
今週のおとめ座の運勢
大河の一滴
今週のおとめ座は、心朽ちた巷からの逃げこみ先に目ぼしをつけていこうとするような星回り。
宗教学者の釈徹宗は、『法然親鸞一遍』の中である韓国の宗教学者の弁として「日本人の宗教性を最もよく表しているのは『夕焼け小焼け』の歌だ」という言葉を紹介しています。
大正時代に書かれたこの歌詞の言葉はもはや現代ではすっかりリアリティを失ってしまったように思えます。とはいえ、日本人から宗教的情緒そのものがなくなってしまった訳ではないはず。現代において「いっしょに帰るところ」を指し示す日本語があるとすれば、それはどんな表現になるのでしょうか。
あなたもまた、それくらい大きな視点から自分のこころの支えとは何かということについて、考えを巡らせてみるといいかも知れません。
今週のてんびん座の運勢
ひょいとカオスをまとう
今週のてんびん座は、決まりきった目的や行き先から自身を解き放っていくような星回り。
『赤とんぼじっとしたまま明日どうする』(渥美清)という句のごとし。掲句では、ただ遠くから赤とんぼを眺めたり観察したりしているところから、一歩踏み出して、お前さん、明日はどうするんだい、と(なんとなく優しく)呼びかけている。
もちろん、この呼びかけは自分自身に対するものでもあります。お互い、風に吹かれて流れていく身の上同士じゃないか、と。そんな密かな連帯感が、この句になんともいえない抒情味をもたらしているのでしょう。
あなたもまた、みずからに「明日どうする」と呼びかけてみるといいでしょう。
今週のさそり座の運勢
沈思黙考
今週のさそり座は、説明したり説得しようとする姿勢から真逆のベクトルへと突き進んでいこうとするような星回り。
茶の湯の革命児となった千利休(せんのりきゅう)は、高い美意識ゆえに、時の権力者であった秀吉の怒りを買い、自害を命じられて生涯を終えていますが、その点について作家の赤瀬川原平は『千利休 無言の前衛』において、こう評しています。
「だから利休は言葉を使わずに、何事かを黙って示す、ということになる。示すというより、黙って置くのだろう。その置かれたものに人が何事か気付いてくれればいいし、気付いてくれなければ仕方がない。そのまま黙っている。というふうであったろうと想像している。何事かを説明し、説得する、というようなことはいちばん遠い人だと思うのである。いっぽう秀吉というのは、何事かを示しながらどんどんしゃべる、そんな人ではなかったのか。」
あなたもまた、いかに「黙っておかれた何事か」そのものになっていけるかということが、テーマになっていきそうです。
今週のいて座の運勢
価値あるものの転倒
今週のいて座は、価値で固められた価値観を転倒させていこうとするような星回り。
『爆発せぬ整備不良の檸檬ばかり』(関悦史)という句のごとし。2023年秋の作で、「檸檬(れもん)」は秋の季語。しかし、掲句の檸檬とは風物詩としてのそれというより、梶井基次郎が小説『檸檬』で丸善を爆発させるべく書棚の前に爆弾のつもりで仕掛けてみせた檸檬のことでしょう。
昭和のはじめに書かれたこの作品と同じことは、令和の今ではすっかり難しくなってしまった。誰もがみな、自分が何に心安らぐのかをよく知らず、ましてや、世間で価値あるとされるものを自分なりの感覚で転倒させることなど、想像することさえできなくなってしまったのではないか。掲句はそんなことを訴えているように思えます。
あなたもまた、自分なりの「檸檬」が作動するよう、しっかりと整備していくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のやぎ座の運勢
午睡よりも深い倦怠
今週のやぎ座は、社会をよくしよう、正しくあろうとする動きをいったん停止・保留させていこうとするような星回り。
哲学者のジョルジョ・アガンベンは、科学や政治もまた人間が作り出すものである以上「閉じられた世界」であり、例えば動物などは決してそれらを知り得ないにも関わらず、人間以上にいきいきと豊かに生をまっとうしているように見えることについて、「動物の放心」という言葉で表しました。
さらに興味深いことに、アガンベンはそうした動物たちの「真理については何ひとつ知らないし、何ひとつ予期してもいない」状態について、人間の「深い倦怠」と似ているという指摘もしています。
あなたもまた、そんな風に具体的な可能性を活性化しないようにすることによってはじめて、いきいきと豊かに生をまっとうしていくきっかけを見出していくことがテーマとなっていきそうです。
今週のみずがめ座の運勢
魂として存在するということ
今週のみずがめ座は、終わりの兆候に一つひとつ目をとめていこうとするような星回り。
『夕紅葉(ゆうもみじ)色失ふを見つつあり』(高浜虚子)という句のごとし。夕闇が濃くなるにつれ、色鮮やかな樹々の紅葉もしだいに色がくすみ、モノトーンへと近づいていく。
実際には微妙な変化の積み重ねによって初めて成り立つ到達地点(ピーク)であり、それはどこか人間が死に向かいつつある時に、肉体の不調であったり、身辺を整理したくなったりと、少しずつさまざまな兆候を見せていくのとも似ています。
あなたもまた、関係性であれ実体であれ、目をとめるべき兆候をあらわし始めた対象をしかと見定めていくべし。
今週のうお座の運勢
滅亡を繰り返さないために
今週のうお座は、自分を人間らしくしていくべく、「助け合いとしての贈与」を実践していこうとするような星回り。
今西仁司の『交易する人間』(2000)によれば、私的所有体制または資本主義の出現は歴史的に理由(必然性)があったし、それを逆転することはできないことは断った上で、「資本主義が浸透する(寄生する)市場経済は、人間(個人と集団のすべて)の現実的な生活の基盤を根底から破壊する傾向がある」のだと警鐘を鳴らします。
では、そうした破壊的作用を克服するにはどうすればいいのか。今西はマルセル・モースの言葉を引用しながら、「受け取るのと同じ程度に与えるなら、すべてがうまくいくであろう」という贈与倫理の復活に期待しつつも、それがどのように可能となるか、という問いに関しては以前として誰も答えをうまく用意できないままであるとも述べています。
あなたもまた、誰か何か(自然や土地)と「共にある」ことの豊かさをどうしたら取り戻し、分離や断絶を克服していくことができるかが、改めて問われていきそうです。
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