久々の韓国ということもあり、買い物欲もむくむく湧いていたけれど、この4年の間に日本からでも手に入るものがずいぶん増えたと感じています。化粧品はもちろん、多くのファッションブランドが日本向けのオンラインストアをオープンしたり、セレクトショップで取り扱われるようになったり…。
「せっかくなら、“その土地でしか手に入らないもの”をゲットしたい」というのが私の旅行のこだわり。今回は、そうして吟味・厳選した上で購入した2つの香水をご紹介します。
2年前にハマった香りの沼からは、まだまだ抜け出せそうにありません。
小さな韓屋からスタートした「GRANHAND.(グランハンド)」
2014年にソウル・北村の小さな韓屋でスタートした「GRANHAND.(グランハンド)」は、“香りの日常化”をモットーに、気軽に楽しめるフレグランスを研究するブランド。
香りを通じて、誰もが心のどこかで求める「少しでも良い日常」を提案しています。
日常を抜け出した特別な1日を追い求めるのではなく、日常それ自体をよりよく、美しくするための助けになる存在を目指しているそう。
メディアや著名人、インフルエンサーを通じたPR活動を行わないというのが、GRANHAND.のこだわりの1つです。あくまで等身大の、むしろ欠けている部分を認めるような、誠実な姿勢を大切にしたいと考えているといいます。
ブランドスタートから3年ほどの間は毎日欠かさずInstagram投稿を続けたそうで、そうした地道な活動が身を結び、1000人にも満たなかったフォロワーも現在では4.2万人に。
当初2店舗のみだったオフラインショップは、6店舗にまで数を増やしています。
江南エリアを歩いていて見つけたドサン店は、そんなブランドの“主張しすぎない魅力”が入口から不思議と感じられました。
渡韓前からブランド名は頭の片隅にあったけれど、お店へ足を運ぼうと決めていたわけではなく…。等身大の空気感に無性に惹かれ、吸い込まれるように中へ。
お店があるのは、1階にスタイリッシュなセレクトショップを構えた、小さなビルの3階です。エレベーターが開いた瞬間、早速素敵な香りが漂ってきました。
5種類のシグニチャー香水から選び抜いたのは…
店内にはたくさんの商品が並ぶ中、ひときわ目を引かれたのが、ブランドを代表する「Signature Perfume」(各11万ウォン ※約1万2100円)。
石のようなステンレスのような、不思議な素材のフタが持つ存在感たるや…!もちろん重要なのは香りだけれど、見た目だって大事なポイントです。ひと目でトリコになったこのシリーズを5種類を嗅ぎ比べてみて、1番ピンときたものを選ぶことにしました。
私が選んだのは、5種類の中で最もユニークな魅力を持つという『Weimar(ワイマール)』。
メロンとマリンのみずみずしい香りに、ジャスミンとゼラニウムが加わった、清涼さの中に柔らかなフローラルを感じるフレグランスです。
考えてみれば、『メロン』のノートってこれまで触れたことがなかったかも。そんな新鮮さもあってか、他にない唯一無二の魅力を感じ、これを選ぶことにしました。
オリジナルグッズもかわいいんです
そのほかにも、あちらこちらに気になるアイテムが…。マスキングテープやポストカードといった文具から、マグやマッチなどの日用品まで、商品展開は多種多様。
公式Instagramの投稿や、HP内の読み物コンテンツ『Journal』にもその感性が覗く「GRANHAND.」は、フレグランスだけでなく、オリジナルグッズがとにかくおしゃれなんです。
その中から、おもちゃみたいな風合いがかわいくて即決した、メラミン素材のクリアリング「Susie Salmon Ring」(2万5000ウォン ※約2760円)。
「Susie Salmon」は「GRANHAND.」で最も愛されている香りの1つで、映画『ラブリーボーン』の主人公、スージー・サーモンにインスパイアされて生まれたシリーズだそうです。
ブランドのこだわりを感じる特別なこのリング、きっとシルバーと合わせても抜け感が出ておしゃれに仕上がるのでは…と妄想を膨らせたのも束の間、なんとこの店舗では展示のみで販売はしていないという悲報が!
オンラインでなら買えるようです。トホホ…。
リングは潔く諦めることにし、最初に決めた香水を1つ購入しました。箱までかわいくて、包んでもらっている間もウキウキが止まりません。
商品についての説明を受ける時間やレジでのお会計など、店員さんとの何気ないやりとりを楽しめるのも、オフラインでのお買い物ならでは。
「GRANHAND.」のオンラインストアでは国外配送もおこなっているため、日本からでも商品の購入は可能ですが、現地での体験はまた格別です。
GRANHAND. Dosan
住所:ソウル市江南区彦州路164キル17 3階
営業時間:11:30〜20:30
公式Instagram:@granhand_official
公式HP:https://granhand.com/
おしゃれな人がこぞって通う「pesade(ぺサード)」
ソウル・梨泰院にフラッグシップショップを構える「pesade(ペサード)」は、近頃SNSで商品画像を見かけることも増え、とっても気になっていたブランド。
予定外にふらっと入った「GRANHAND.」とは対照的に、絶対に行く!と心に決めていたお店でした。
2022年5月にローンチしたpesade。元々はオンラインストアと不定期開催のポップアップにて販売をおこなっていましたが、同年8月にフラッグシップショップをオープンし、今では、店舗でいつでも商品を手に取れるようになりました。
ブランドが提案しているのは、美しさに対する純粋な憧れや、些細な美を発見したり収集したりする喜び。香りを通じて、そんな彩りで日常を満たすとしています。
気分で使い分けたい3種類の香り
フラッグシップショップの店内は、センスたっぷりのオーナーさんが作り上げたという、こだわりのおしゃれ空間。ニット風の大テーブルに、洋書を使った商品レイアウト…。色味から何から、発見と学びにあふれています。
現在「pesade」が展開している香りは、『Mid Mountain』『The New Error』『In Hindsight』の3種類のみ。商品のタイプとしては、香水とハンドウォッシュ、ハンドクリームがラインナップしています。
私のお目当てはもちろん香水。3つの香りを嗅ぎ比べたはいいものの、これが迷う迷う…。
『Mid Mountain』は、パチュリとシダーウッド、オーキッドをメインとした、異国情緒漂うアロマティックウッディーの香り。
『The New Error』はブラックティーとラム、シダーウッドがメインの、少し甘さもあるオリエンタルウッディーな香りです。
そして『In Hindsight』は、ローズにリリーといった花々が、フルーティなラズベリーやムスクの甘さと溶け合う、可憐で華やかなノート。
どれも全く違った魅力を持っていて、それぞれシーンごとに使い分けたくなるラインナップです。
悩んだ末、決定したのは『In Hindsight』!
じっとり深みのあるウッディ系よりも、華やかなフローラルムスキーの香りの方が、夏の気分に合っている気がしたのです。
ちなみに、サイズは小さめの30mL(6万4000ウォン ※約7000円)をチョイス。併せてハンドクリーム(2万1000ウォン ※約2320円)を買えばサンプルセットと巾着をつけてくれると言われて、まんまと追加購入しました。
はあ、それにしても見た目がかわいい…。しばらくは眺めているだけでもしあわせな気分に浸れそうです。
pesade Hannam Flagship Store
住所:ソウル市龍山区梨泰院路49キル16
営業時間:12:00〜20:00
公式Instagram:@pesade_official
公式HP:https://pesade.kr