isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2023年下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
会話ゲームの再構築
今週のおひつじ座は、「ちゃんと考えること」の効能にあらためて思い至っていくような星回り。
現代社会では、「あの人はすぐ感情的になる」といった非難が大手を振るってまかり通るくらい感情は悪者扱いされがちですが、一方で昨今進化が目まぐるしいAIと人間との比較について言及する際に、貴重な「人間らしさ」の源ともされています。
いずれにせよ、そこでは感情というものが、思考とはまったく無関係な代物であり、かつ私たちを振り回すものとして捉えられています。しかし、こうした認識は果たして妥当なのでしょうか?
あなたも、私たちは感情に振り回されているのではなく、むしろ感情の方が私たち(思考)に振り回されているのだ、という前提に立って過ごしてみるべし。
今週のおうし座の運勢
受苦的なコミュニケーションを
今週のおうし座は、死角から来ているものと視線を合わせていこうとするような星回り。
『あらみたまバックミラーにあふれたり』(五島高資)という句のごとし。「あらみたま(荒魂)」は、神道に伝わる概念で、何らかのわざわいを引き起こすような神の荒々しい側面のこと。
虫の知らせか第六感か。いやもしかしたら、もうずいぶん前からスピードを出せば出すほど、こちらを追いかけ、すがりついてくる何かの気配にうすうす感づいていて、決死の覚悟でバックミラーに目を向けたのかも知れません。
あなたもまた、そうした気配のようなものを流してしまうことなく、きちんと捉えていきたいところです。
今週のふたご座の運勢
哲学者とマイナー詩人
今週のふたご座は、そんなことはありえないと否定しようとしても否定し得ない、自分の一部に身を委ねていくような星回り。
広場で相手をつかまえては、日がな一日問答を繰り返していたソクラテスは、結果的に刑死すると同時に「哲学者」の祖となっていった訳ですが、そもそも彼はなぜ奇怪な行動に出たのでしょうか。
たとえばヘーゲルは、ソクラテスをそうした決断へと突き動かしたとされるダイモン(神霊、精霊)は「無意識」ではないかと考え、私たちが死にそうになったときや、病気になったとき、時に正常な知性にはまったく見えなかったつながりが見えることがある、というのとほとんど同じだと言っています。
あなたも、みずからの努力と省察によってではない形で、自己決定していくことを自身に許可していくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のかに座の運勢
大した人間ではございません
今週のかに座は、得体の知れない“何か”として自分自身を捉えていこうとするような星回り。
『金魚屋のとどまるところ濡れにけり』(飴山実)という句のごとし。呼び止められて、荷をおろす段になって、桶からすこし水がこぼれる。しばし会話を交わして金魚が買われたり買われなかったりして、金魚売はまたゆっくりと移動していく。
それで、地面に濡れ跡だけがのこって、次第に呼び声は遠ざかって行く。そうやって、金魚売というのは「存在」と「非存在」とをつないでいたんですね。
あなたも、過去と未来、誰かと誰かとを結びつけている、何かボワーっとした媒介物になったつもりで過ごしてみるとちょうどいいでしょう。
今週のしし座の運勢
正しい問いを見出す
今週のしし座は、自身が無意識に抱いている差別感情に気が付いていこうとするような星回り。
覇権的平和「パクス・ロマーナ」を誇ったローマ帝国も、地中海世界が世界史の「中心」から降りていき、「周辺」たる蛮族世界(アルプス以北)が代わりに割り込み、拡がり、やげて新たな中心へと逆転していく歴史的過程において衰退して滅びていきました。
歴史学者の弓削達は『ローマはなぜ滅んだか』(1989年)のあとがきのなかで、ローマ帝国がゲルマン民族に対して、野蛮、残酷、非理性などのレッテルを貼って、差別感情をもっていたことを指摘していますが、これは日本とアジア国家ないしアジア諸民族との関係を考える上でも、重なるところがあるのではないでしょうか。
あなたも、まずは自分を「ローマ末期の指導者たち」に重ねてみるといいでしょう。
今週のおとめ座の運勢
人間なんてナンボのもんじゃい
今週のおとめ座は、世の移り変わりを自身の実感に落とし込んでいこうとするような星回り。
『夏蝶もみんな孤独死ではないか』(仙田洋子)という句のごとし。どんな人間であれ孤独死する可能性があるのだ。いわんや夏蝶をや、と。大ぶりで華やかな美しさをもつ揚羽蝶も、若さを持て余した20代の若者も、同じようにひとり切りで死んでいくのだ。
魂をもった存在というのは、ほんらいみな等しく孤独に死んでいくものだったのかも知れないという不思議さへの開かれや、狭隘な人間的枠組みからのささやかな解放感さえ感じられてくる。
あなたも、そうしたささやかな解放感を噛みしめていくべし。
今週のてんびん座の運勢
接続の塩梅
今週のてんびん座は、権力支配から自由な在りようを紡ぎ出そうと、自分なりに試行錯誤していこうとするような星回り。
ニュースで芸能人の不倫が取り沙汰される度に、タイムラインがその話題で埋めつくされて他の問題が追いやられてしまう世界戦に生きている私たちは、性的関係ないし恋愛を(例えば友情などの他の人間関係と比べ)明らかに特別視しているように思います。
問題なのは、そうした規範意識が権力によって刷り込まれたものであるということ。経済成長に必要不可欠な人口増加を不安定にするような性愛のあり方をおかしいと思い込むことによって、資本と結びついた権力の支配に組み込まれていっているのだと言えます。
あなたも、ちょうどいい塩梅での立ち方を改めて模索していきたいところです。
今週のさそり座の運勢
世界からの贈与を受けとっていく
今週のさそり座は、自分のこれまでの人生をふっと「越して」いこうとするような星回り。
『かなぶんに好かれて女盛り越す』(岸本マチ子)という句のごとし。「過ぐ」ではなく「越す」という言葉が使われているのは、作者がどこかで自分が生きてきたこれまでの軌跡を、自分なりに受け入れることができたからであって、それが不意にはっきりとしたのだとも考えられます。
だからこそ、作者はかなぶんに好かれたことを皮肉っぽく嘆く代わりに、口元に笑みを浮かべて冗談にすることができている。
あなたも、ただ単に時間の経過をぼんやり眺める代わりに、いかに過去からサッと身を引いていけるかが問われていくでしょう。
今週のいて座の運勢
偶然に癒される
今週のいて座は、思い切って必然性を切断し、偶然へと接続していこうとするような星回り。
木村大治は『共在感覚』の中で、ザイールの農耕民ボンガンドによる「ボナンゴ」という発話行為について論じています。いわく、村の広場において大声で話す「奇妙な」人と、その横を何ごともない顔をして通りすぎていく人びとの姿を目撃したことがきっかけに、何を話しているのかを調べてみたと。
その内容は一緒に働かないかという呼びかけや、「暑くてたまらん」みたいな愚痴も多いのだとか。木村はこうした発話を「投擲的発話」と名づけ、すでに基底的なつながりが十分にある彼らにとって、あえてつながりを切ることを目的とした操作を入れないと、みなが疲れきってしまうのだ、と説明しています。
あなたも、不透明で、偶然性をはらんだ行為を積極的に「投擲」してみるといいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
とりどりな豊かさ
今週のやぎ座は、関係性の成熟ということを確認していこうとするような星回り。
『虹立つやとりどり熟しトマト園』(石田波郷)という句のごとし。トマトは育てやすい部類の野菜に入りますが、雨に弱いのが特徴。作者は少しハラハラとしていた気持ちがあっただけに、余計にトマトがきらきらとしてるように感じられたはず。
現代社会では仕事であれ、人間関係であれ、何かを口にするだけでなく喜ばしい結果につなげることは、ますます難しくなりつつあります。だからこそ、ともに難事をくぐりぬけることのできた関係や、耳に心地よくはないはずの言葉を受け止めてくれた相手のありがたみが輝いて感じられる世の中なのだとも言えます。
あなたも、そんなよく熟れたトマトのごとき実りの喜びが、おのずとわいてきやすいでしょう。
今週のみずがめ座の運勢
食べ歩きの必要
今週のみずがめ座は、「完全な健康」などという発想を捨てていこうとするような星回り。
精神科医の中井久夫はエッセイ「世に棲む患者」のなかで、「病気をとおりぬけた人が世に棲む上で大事なのは、その人間的魅力を摩耗させないように配慮しつつ治療することであるように思う」と書きました。
中井は治療者と患者とのあいだで陥りがちな固定観念で、元患者が世に棲む妨げになるものとして、大きく2つの傾向を挙げています。それは、世に棲む患者として生きたり、他の患者への配慮の上で大切なのは、(暇な時間などないと言わんばかりに)働くこと=正常ではないのだということ、そして、ほどほどに「病い」や「調子の悪さ」を抱えつつ生きることを受け入れていくこと、と言えるのではないでしょうか。
あなたも、「人間的魅力の摩耗」を防ぐという観点から自身の生活を見直していきたいところです。
今週のうお座の運勢
蝶をつかまえる
今週のうお座は、ただただ真っすぐにおのれの心を磨いていこうとするような星回り。
『一粒の真珠転がる夏座敷』(原裕)という句のごとし。じつに印象鮮明で、詠まれている光景自体はきわめて明瞭な骨格をもっている一句。
しかし、下五の「夏座敷」という語によって、他の季節には見られないような清涼感と涼やかさとがもたらされ、そうして句にひとつの生命がやどった証しとして「一粒の真珠」がキラリと光っているかのように感じられます。
あなたも、どうでもいい他人の評価に気を取られる代わりに、自分のこころがより一層研ぎ澄まされる瞬間を追い求めていくべし。
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