isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2023年下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
そこのけそこのけ
今週のおひつじ座は、無意識の内になれ合いに陥っていた関係を脱し、ありうべき大人の交友していこうとするような星回り。
寺山修司の『家出のすすめ』が1972年に刊行されてから、既に50年がたちました。本書は「家出のすすめ」の他「悪徳のすすめ」「反俗のすすめ」「自立のすすめ」の4章からなっていますが、このうち「悪徳」の箇所から目を引いた一節を引用しておきます。
「だいたい、他人の悪口をいうというのは、サーヴィス行為であります。いいながら、自分もすこしは爽快な気分になりますが、いわれる相手がつねに主役であり、いっている自分が脇役であるということを思えば、「いわれている当人」ほど爽快な気分とはいえません。(中略)だから、悪口をいわれたら、悪口をもってこたえねばならない。それが友情であり、義理というものであります。」
あなたもまた、「悪口にたいして悪口でこたえる」くらいの潔さと美意識とを発揮していきたいものです。
今週のおうし座の運勢
ひとり小径をゆく
今週のおうし座は、ゆったりと、しかし着実に自己内対話を進めていこうとするような星回り。
『やはらかく胸を打ちたる団扇かな』(片山由美子)という句のごとし。
掲句はたえず生成変化しているこの世の時間の流れから、一寸だけ抜け出た先で初め可能になる時間の流れの表現とも言えますが、例えば思想家のハンナ・アレントは、こうしたゆったりとした時間の流れ方をする領域においてこそ自己内対話は可能となるのだとして、その領域を「非時間(ときじく)の小径」と名付けました。
あなたもまた、他でもない自分自身に話しかけるために言葉を紡いでみるといいでしょう。
今週のふたご座の運勢
極点をつきぬける
今週のふたご座は、経験しうる厄介さの極みを改めて思い知っていこうとするような星回り。
誰もが病いやそれに近い症状、そのリスクを抱え込んでいる現代社会において、特に厄介なのが、精神病とも神経症などのいずれとも異なるために「境界性(ボーダー)」と呼ばれ、その根底に自己愛の問題があるために、境界性パーソナリティ障害と名付けられている一群のグループです。
医学者で作家の岡田尊司は、「境界性パーソナリティ障害は、自己を確立するための産みの苦しみ」であり、「それは、病というよりも、一人の人間が、これまで背負ってきたものを一旦清算し、大人として生まれ変わり、再生するための試練」に他ならないのだといい、もし本人だけでなく、支えている人たちの気力が尽きることがあれば、「そんなときは、結果を急ぎすぎているのだ」とも言及しています。
あなたもまた、自身や身近な相手との深く関わる上で知っておかなければならないこと、受け止めていかなければならないことを見定めていきたいところです。
今週のかに座の運勢
そして馬鹿として
今週のかに座は、愚直に誰かを求めていこうとするような星回り。
『逢ひに行く開襟の背に風溜めて』(草間時彦)という句のごとし。大人になると、いつの間にかまっすぐに誰かを求めることを皆やめてしまう。余裕のない顔など晒したら、ここぞとばかりにつけ込まれるだけだろう、ともなんとなく思う。
そう、そんな「なんとなく」に私たちは支配され、封じられて、思いきり手足を伸ばす機会どころか、愚直な心根そのものを失ってしまう。そんなことを思って、掲句に改めて目を通すと、一抹のさみしさを感じる他に、誰にもこんな日があったに違いないという不思議な直感のようなものも差し込んでくる。
あなたなら、「なんとなく」のくびきからおのれを解放していくことができるかも知れません。
今週のしし座の運勢
近代化のリセットをはかる
今週のしし座は、無理な集中よりも思いきり発散した後の静かな快感をこそ、追求していこうとするような星回り。
考えてみれば、マスクやワクチンなども含めて、近代社会というのは社会のあらゆる場所から怖れを隠蔽する技術を非常に発達させており、その結果、私たちは日常のどこを向いても均質な時間と空間の広がる、どこか“のっぺらぼう”な世界を生きています。
日本人は床の間にあがってはいけないとか、敷居を踏んではいけないとか、中世的・古代的な空間についての意識が古層のところでかろうじて残っていますから、そういう意識とつながっていくことで、「自分と回りの世界の干渉の場」となって響きあっている感覚を取り戻していくこともできるはず。
その意味で、今週のしし座もまた、そうした身の回りに埋まっている中世的・古代的な意識の古層と積極的に繋がっていくべし。
今週のおとめ座の運勢
自分なりの基準を研ぎ澄ます
今週のおとめ座は、日常に埋もれがちな“基準”を改めて掘り起こしていこうとするような星回り。
『短夜の端から端へ救急車』(出口善子)という句のごとし。昭和14年生まれの作者は、戦中に経験した空襲など、戦争の時代をリアルに体験している世代ですから、救急車の音一つとっても、その感じ方には平和ボケした現代人とは大きな違いが出てくるはず。
五感は文明が進めば進むほど鈍くなるものですが、都会の喧騒に慣れきってこうした平和に対する感性までも摩耗していくことのないよう、普段よく耳にしている音の意味をこうして時おり確かめていきたいところです。
あなたもまた、ありうべき「異常/正常」の基準をみずからの感覚や実感とすり合わせてみるといいでしょう。
今週のてんびん座の運勢
闇の中からの露光
今週のてんびん座は、みずからの土地や場所とのつながりの核心的部分を、改めて確認し直していくような星回り。
宗教学者の鎌田東二は『聖地感覚』において、聖地にはかならず表と裏、前と奥があって、「『裏』や『奥』が見えなければ、けっしてこの世ならざる光景を目撃することはな」く、個人の現実感覚がこの世界の大いなる循環とつながり、深まっていくこともないのだと指摘した上で、「裏の聖地感覚」の好例として太宰治を取り上げています。
あなたは自身の生まれ故郷であれ、いま現在暮らしている土地であれ、ここと決めた自分自身にとって縁のある場所であれ、こうした裏や奥をまなざす感覚を抱けたことはあるでしょうか。
あなたもまた、こうした意味での「聖地」に助けられて始めて息の長い活動が可能となるのだということを、改めて痛感していくことになるかも知れません。
今週のさそり座の運勢
なだらかな侵略を食い止める
今週のさそり座は、心の平安をひとつのテクニックを通して実現していこうとするような星回り。
『ハンモックより過ちのごとく足』(仲寒蝉)という句のごとし。
作者は揺らぎやぼやけを、さざ波の立つ湖面を見つめるかのように、静かに眺めつつ、ゆったりとした呼吸を維持している。むしろハンモックに揺られ、足を豪快に投げ出すことで、作者はやっとのところで均衡を保っているのかも知れません。
あなたもまた、何度でも繰り返していく必要のある技術とは何かということを、改めて意識してみるといいでしょう。
今週のいて座の運勢
些細な記憶を掬い取る
今週のいて座は、すべてがでたらめで、確からしいものなどほとんどないように感じられる今の時代の見取り図を、「触覚」を通して改めて描き直していくような星回り。
大岡信の「さわる」という作品のごとし。視聴覚メディアが限りなく発達している今の時代において、「さわる」ことは通常、「見る」や「聞く」と比べてあまり重要とはされておらず、あくまで‟ついで”に行われる動作とされることがほとんどです。
ところが、この「さわる」という詩では、通常なら触覚の対象とされないような、さまざまな対象に対して「さわる」という言葉を適用していくことで、そうした感覚的常識を異化し、「さわる」という感覚を第一義に近い位置へと転倒させていこうとしているのです。
あなたもまた、そんな転倒をみずからの“手探り”を通じて試みていくべし。
今週のやぎ座の運勢
新しさに身を置いて
今週のやぎ座は、人生のひとつの到達点として自身の「力の抜け加減」をはかっていくような星回り。
『学会の夜のホテルに泳ぎけり』(杉田菜穂)という句のごとし。作者は大学につめる学者であり、掲句も泊りがけで学会に参加するという職業生活の一場面を切り取った一句ですが、俳句として見るとどこか他にはない新しさがあります。
掲句はどこか社会への意識を過剰に持ちあわせている訳でもなければ、かと言って、ささやかな日常に綺麗におさまってしまっている訳でもなく、ちょうどいい塩梅で力の抜けた印象を受ける。
あなたもまた、それくらいのちょうどいい塩梅で、この世界と押し引きしていきたいところです。
今週のみずがめ座の運勢
へその緒を切る勇気
今週のみずがめ座は、「全部捨てればいい、振り返ってはいけない」という彼女の言葉を受け入れていこうとするような星回り。
名エッセイストで知られるアニー・ディラードは、文章を書く上で大切にしている秘訣について綴った『本を書く』という本のなかで、ここだけは決して切り捨てていはいけないし、その必要などないと心底思える最良の部分をこそ放棄せよ、それが文章術だと言っています。
「道そのものは作品ではない。あなたがたどってきた道には早や草が生え、鳥たちがくずを食べてしまっていればいいのだが。全部捨てればいい、振り返ってはいけない。」
あなたもまた、自分が紡ぎ出す世界を変えるためにも、誰も見ていないところでどれだけアニーがいうような「恐るべき行為」を実行できるかどうか問われていくでしょう。
今週のうお座の運勢
何かが破れている
今週のうお座は、この世界の境界線上をなぞって歩いていくような星回り。
『死後の景扇風機に顔近づけて』(高勢詳子)という句のごとし。一度でも「扇風機」に指をつっこんでひどい目に合いかけたことのある人ならば、羽が回っているタイプのそれにはどこか恐怖心を抱くものではないでしょうか。
作者はここでこの世の“へり”にいて、白いウサギを追いかけて穴に落ちるアリスのごとく、きわどい領域に足を踏み入れているのだとも、抜けるべきしがらみから自由になりかけているのだとも言えます。
あなたもまた、そんな「うっかり」をあえて試みてみるといいでしょう。
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※7月2日配信の占いの内容に誤りがあり、修正を行いました。(2023年7月3日15時11分更新)