isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2023年上半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
丁寧にまなざしていくために
今週のおひつじ座は、深く受けとるように何かを見るということを実践していくような星回り。
『ナイターに見る夜の土不思議な土』(山口誓子)という句のごとし。
普段なら特別注意して意識することもない、何の変哲もない土が、ナイターの光に照らし出されている様子は、「不思議」と言う他なかった訳で、作者は「不思議」という言葉の響きと目の前の光景とを見比べながら、ここで何度も「土」の実感を味わい直しています。
あなたもまた、積極的に見たくなるものの目の前にすすんで足を運んでいくべし。
今週のおうし座の運勢
人道は水車にあり
今週のおうし座は、使い捨てが当たり前の時代にあって、その流れに全力で抗していこうとするような星回り。
日本にはもともと「モノには魂が宿る」という考え方がありましたが、日常の道具の美しさを指摘した最初の人物である柳宗悦は、「人間の真価はその日常の暮しの中に最も正直に示される」という考えから民衆的工芸を「民藝」と名付けました。柳は日用品の本質について、『手仕事の日本』の中で次のように説明しています。
いわく、実用ということに縛られて作られた日用品は自由な美術が尊ばれた時代において「不自由な芸術」と呼ばれたものですが、不思議なことに「かかる不自由さがあるために、かえって現れてくる美しさがある」のであると。
あなたもまた、改めて生活に美しさを結びつけていく上で、コスパや効率重視の考え方をどれだけ生活の中でひっくり返していけるかどうかが問われていきそうです。
今週のふたご座の運勢
命の点滅
今週のふたご座は、私自身との対話をグッと深めていこうとするような星回り。
『よろめきて孤絶の蚊帳をつらんとす』(石田波郷)という句のごとし。作者は戦中に結核を発病し、戦後は病と対峙する自身の生活を題材とする句を詠み続けた人。
掲句もまた、療養生活のなかでつねに生死を見つめねばならない立場に立たされた作者が、自分ひとりだけ取り残されてしまったような“感じ”が、ふと身に沁みて感じられた瞬間を捉えているのでしょう。
あなたもまた、そんな<一者のうちにある二者>という感覚を、孤絶を通して確かめていくべし。
今週のかに座の運勢
菩薩道
今週のかに座は、この世にいながら、目に見えない何かをせっせとつくっていこうとするような星回り。
「智者の変化の聖者を誹り妬みて、現に閻羅の闕(みかど)に至り、地獄の苦を受けし縁」というお話のごとし。
これは詩人のキーツが言っていた「ソウル・メイキング(魂づくり)」ということにも通じていますが、話をひっくり返せば、この世であこぎなやり方で儲けたり、誰かの足を引っ張っていい思いをしていると、向こうでは自分の魂を閉じ込める牢獄ができていくということでもあります。
あなたもまた、目に見えない裏の世界でどんな家を建てるか、という視点から、この世での過ごし方を考えてみるといいでしょう。
今週のしし座の運勢
左手は添えるだけ…
今週のしし座は、なんとなく続けていけそうな習慣づくりを試みていくような星回り。
『バナナ持ち洗濯機の中のぞきこむ』(しらいししずみ)という句のごとし。
バナナを食べることと、洗濯機を回すことは、本来ならまったく別々の営みではありますが、ここではそれらがごく自然に居合わせて、気付いたらなんだか一緒に和んでしまっている。考えてみれば、こういうことは意図しない瞬間に、ひっそりと日常で起きているように思います。
あなたもまた、自分なりの「行い合わせ」を試行錯誤してみるといいかも知れません。
今週のおとめ座の運勢
おてんとうさまは見ている
今週のおとめ座は、「学識はないが学者である」ような人物をこそロールモデルとして仰いでいこうとするような星回り。
キリスト教思想家の内村鑑三は、主著である『代表的日本人』の中で、時を超えて日本人の心に生き続け、語りかけていくだろう「永遠の人」の例として5人の生涯を取り上げていますが、中でも同じ教育者として深く敬愛していたのが江戸時代初期の儒学者・中江藤樹でした。
人間が何かをするのではなく、人間は無私になって天の道具になるのがもっとも美しく、天の声に耳を澄まし、天の命を聞き届けていく態度こそが「徳」であり、それによって培われるものこそが叡智に他ならないのだと、内村は考えていたのでしょう。
あなたもまた、無学者の精神に立ち返って知識ではなく叡智をこそ仰いでいくべし。
今週のてんびん座の運勢
浮かぶ瀬もあれ
今週のてんびん座は、自身がこの先の人生を生きていく原動力が浮き彫りになっていくような星回り。
『蟻の道雲の峰よりつづきけん』(小林一茶)という句のごとし。人生の根本に触れるような大事に遭遇した時というのは、俳人にとってしばしば自身の境地をより一層深めるべく、詩的な真実を鋭く追求していくタイミングとなっていくもの。
その意味で、地を這う生きものとしての「蟻」の小ささと山の峰のようにそびえ立つ夏の雲の大きさの対比、そして道ゆきの中でのつながりという一見矛盾するような内容を、こうしてあえて一つの句に落としこんでみせたところに、やはり作者晩年の句境が象徴的に現れていたのではないでしょうか。
あなたもまた、自身の歩みはどこへと繋がっていくものなのか、改めてその信念を胸に手を当て問いただしてみるといいでしょう。
今週のさそり座の運勢
来たるべき流動に向けて
今週のさそり座は、堅く安定した地面の下に横たわっているカオスに、みずから身を委ねていこうとするような星回り。
スペインの哲学者サバテールの『物語作家の技法』では、『海底二万マイル』などの昔懐かしいタイトルを挙げ、「下降の旅」という章のなかで次のように書いています。
「このような地理学上の倒錯行為は人に眩暈を覚えさせることにもなろう。にもかかわらず、われわれの足下に横たわるものは時代を問わずつねにわれわれの心を惹きつけてやまなかった。そこは死者の国である」
あなたもまた、かつて子供の頃に読んだ物語の手触りをほんのちょっとでも思い出してみるといいでしょう。
今週のいて座の運勢
空港にいる感じ
今週のいて座は、なにか異質なものの到来を待ち受けていくような星回り。
『数多なる岬・崎・鼻けぶる夏』(澤好摩)という句のごとし。
「岬・崎・鼻」は陸地の行き止まりなどではなく、今まさに他なる世界とつながらんとしてカミの発着を待っている“ターミナル・ステーション”のようなものであり、また、より現代的に言えば“端末装置”のようなものなのだとも言えます。
あなたもまた、以前と同じように存在しているように見えて、その実、もののやり方や方法をサッと変えていくことになっていきそうです。
今週のやぎ座の運勢
世におのれを放つ
今週のやぎ座は、自分自身へのエールを生活に取り込んでいこうとするような星回り。
いつの時代も女性には女性特有のよさがあり、それは逆も然りな訳で、日本では古来より器量のよさや頭脳の出来とも異なる「福々しさ」という基準が大事にされてきましたし、江戸時代には「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」という言い方で美しさを称える言葉も生まれましたが、時代ごとにそうしたことも必要なことなのではないでしょうか。
たとえば、戦後の混迷期に生きた女性の生活実感を描いた作品のひとつに、詩人の永瀬清子の「窓から外を見ている女は」という詩があります。
あなたもまた、満ちては引いていく潮のように自分が「窓」を突き抜けてどこへかえっていこうとしているのかを、しかと見極めてみるといいでしょう。
今週のみずがめ座の運勢
無理なくしずかに
今週のみずがめ座は、動脈でははなく静脈をつたって密かに気力がめぐってくるような星回り。
『心音を聴きゐる部屋の夏景色』(布川武男)という句のごとし。あえて作者について言及せずとも、医者であることがわかる一句ですが、掲句にはどこか静謐な時間の流れる午前の明るさが感じられます。
作者の専門は小児科で、学校医だったそうですから、胸に当てた聴診器から聞こえてくる音は、どこかさざ波のようなかわいらしい音だったのではないでしょうか。そして、それは作者の日常であると同時に、最も愛した光景だったのかも知れません。
あなたもまた、無理なく閑かさが深まっていくような状況に自身を置いてみるといいでしょう。
今週のうお座の運勢
贈与の輪をまわすには
今週のうお座は、ひそかに愛の証明を試みていこうとするような星回り。
19世紀中頃、まだ青年期にあったカール・マルクスは、当時勃興しつつあった資本主義を批判しつつ、労働の意味を肯定的に捉えなおそうとした『経済学・哲学草稿』という論考の中で、次のように書いていました。
「もし君が相手の愛を呼びおこすことなく愛するなら、すなわち、もし君の愛が愛として相手の愛を生み出さなければ、もし君が愛しつつある人間としての君の生命発現を通じて、自分を愛されている人間としないならば、そのとき君は無力であり、一つの不幸である」
あなたもまた、自分もまた誰かから愛を受け取ってきたのだと思い出していくことを通して、逆に自分が決して無力な存在ではないのだということを再確認していくことが、テーマになっていくでしょう。
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