isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2023年上半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
ノイズの中にこそチャンスはあるということ
今週のおひつじ座は、ノイズを求めて現実に触れていこうとするような星回り。
『さくら、ひら つながりのよわいぼくたち』(福田若之)という句のごとし。
めんどうだったり、恥ずかしかったり、意味が分からなかったり。「弱いつながり」というのは、実にノイズまみれな訳ですが、だからこそ硬直しがちな現実に「切れ」をもたらすことができる。つまり、ノイズのなかにはチャンスが潜んでいて、そういうものに出会っていくなかで、私たちはちょっとずつ、時に決定的に、変わっていくのです。
あなたもまた、そうした「弱いつながり」をおのずと求めていくことになるでしょう。
今週のおうし座の運勢
優先順位の見直し
今週のおうし座は、より「人間的」なデザインを追求していこうとするような星回り。
都市や建築物が「人間的」でなければならないという話は、今日ではほとんど自明とされていますが、現代社会ではむしろ、受動的かつ機械的な反応しか示さない「ロボット人間」となることが推奨されていると言った方が、近しいようにさえ感じてしまいます。
そうしたロボット人間にとっては、「ゆっくりした生活のテンポ、緑と太陽、静寂、歴史の保存」などより、「いつも忙しくしていること、コンクリートと蛍光灯、喧噪、流行に乗っていくことによる自己更新」の方が、よほど「人間的」なデザインであるはず。
あなたもまた、自分にとって「人間的」であるとはどのようなデザインや建築を指すのか、そしてその実現のために不可欠で譲れないものとは何なのかが明確になっていくでしょう。
今週のふたご座の運勢
不可解さの深奥へ
今週のふたご座は、いつまでも溶解しない何かに沈潜していこうとするような星回り。
『花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ』(杉田久女)という句のごとし。まとわりついてくる「紐いろいろ」とは、振りほどこうとしてもそこに絡み取られてしまう女としての深い業のことなのでしょう。その意味では、いささかナルシスティックな部分を描いた句とも言えますが、けっして下品にはなっていない。
おそらくそれは、みずから裸身になってみせることで、虚勢や小手先のごまかしを捨ててしまっているからでしょう。いたずらな記号化を拒否する、ある種の不可解さや解きほぐせなさを自身で確かめている、その真摯さが理屈ではなく伝わってくるのです。
あなたもまた、解きほぐせない感覚にみずから踏みとどまっていくべし。
今週のかに座の運勢
ずーっと全然分からないなぁという感覚
今週のかに座は、自分なりの一生の問いに向きあっていこうとするような星回り。
「老人1人が死ぬことは図書館が1つなくなるのと同じこと」。これはアナン元国連事務総長が演説に引用したアフリカのことわざですが、これがほとんど口伝でその知恵や技術が伝えられてきたマタギ(山人)となれば、その言葉の重みはますます増していくように感じられます。
師がやっていることを見よう見まねでやってみるのがマタギ修行の基本であり、失敗して覚えていくのでなければうまくはならないのだそう。
今週のかに座は、どこにも教科書や決まったカリキュラムなどない“修行”を、改めて体に叩き込んでいきたいところです。
今週のしし座の運勢
もう一つの知
今週のしし座は、多層的な時間の「重ね合わせ」によって、この世界を素描し直していこうとするような星回り。
『たんぽぽや長江濁るとこしなへ』(山口青邨)という句のごとし。とこしなえ(永久)を思わせる長江は、局所的に固められ、解決されたかに見える人生の問題をふたたび解かれるべき謎へと差し戻していくような感覚の比喩とも解釈できるかも知れません。
私たちはきっと、この世界で時間をかけて身を固めてゆくだけでなく、そうして小さくまとまりがちな心や自身の世界を巨視的な文脈へと重ね合わせてゆくことにも時間をかけているはず。
あなたもまた、何もわかっていなかった頃の戸惑いや謎の感覚を深く思い出していくべし。
今週のおとめ座の運勢
生活とストーリーと
今週のおとめ座は、「仕事」という言葉への憎しみから少しだけ解き放たれていこうとするような星回り。
進化生物学者のスティーブン・J・グールドがインタビューに答えた一節を聞いていると、私たちは決して「仕事をしすぎている」のではなく、むしろ「仕事」という固定観念に囚われ過ぎているのかも知れないという疑念が湧いてきます。
私たちが、何もかも「仕事」と呼んでそこにはまりこむことを「中毒(ホリック)」すなわち異常状態と呼ぶのは、それらがどこまでも“押しつけられたもの”でしかなく、みずから選び取り、親しんでいる「生活」にまで至っていないからなのではないでしょうか。
あなたもまた、どんな仕事をしたいかではなく、どんな生活をしたいか、そしてそこにどれだけ、またはどんな類の「仕事」が含まれているか、という仕方で、自身のQOLの向上をはかっていくことがテーマとなっていきそうです。
今週のてんびん座の運勢
失われた情緒を求めて
今週のてんびん座は、貴重な活動への解像度をグッと高めていこうとするような星回り。
『田にあれば桜の蕊がみな見ゆる』(永田耕衣)という句のごとし。桜だって受粉をして、生産している。稀にではあるが、実をつけることだってある。それは蕊があればこそなのだ、と。いったんこうした見方が身に沁みてしまった人は、きっともう二度と花びらだけを盲目的に見つめることはできないでしょう。
その意味で、何かを真に発見するということは、世界の見え方が根本から変わってしまうということであり、それ以前の世界を喪うことでもあるのです。
あなたもまた、ひとつの重要な気付きを得る代わりにこれまで親しんできた盲目さを喪っていくはず。
今週のさそり座の運勢
都会にいることと哲学すること
今週のさそり座は、私の背後にある何ものかを考え、話し、表現していこうとするような星回り。
哲学者の山内志朗は、「東京で溺れない哲学」というエッセイのなかで「薄暗い、灰色の空から、雪が音もなく、静かに降り積もるとき、雪は降る。音もなく降る。上から下へと降る」。そうやって「降る雪が哲学していると感じることもあった」のだと綴っています。
都会で溺れないためには、泳ぎ方を覚えなければなりませんが、それは少なくとも山内にとっては、「雪のごときものに埋もれて」いる自分自身を見出し、その背後にある自然のはたらきをはるかな起源へと遡っていくことに他ならなかったのでしょう。
あなたもまた、自分が呑み込まれつつあるものを懸命に呑み込み返すべし
今週のいて座の運勢
のろのろ、うろうろ
今週のいて座は、これからの時代に必要な感性を補っていこうとするような星回り。
『走ること忘れし馬の長閑かな』(増永徂春)という句のごとし。私たちはもっと仕事をサボっていいし、社会人だとかいい大人とか家族内の役割なんかに縛られなくていい。
掲句の馬のように、そうした自分が自分でいることにいちいち意味や価値を見出すことを時に忘れ、ただこの世にこうして在れることを喜べばいい。なぜなら、人間はかならず間違うものであり、完璧にはなりえないから。とすれば、これからの私たちに真に必要となるのは、自身や他者の不完全さや間違いや愚かさを、笑ったり笑われたりすることを楽しんでいけるだけの感性でしょう。
あなたもまた、掲句のような“軽み”を自身に取り入れていくべし。
今週のやぎ座の運勢
ひたひた気配
今週のやぎ座は、「静かで深いコミットメント」をめぐって試行錯誤していくような星回り。
村上春樹と河合隼雄の対談『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』では、日本社会というのはなかなか「個人」ということを体感としてわかるということは難しい社会なのだという話が取り上げられていました。
実際に自分が精神分析を受けてみて、いかに分析家の仕事というのはコミットメントなくしては進まないのだということが分かったが、外見的にはむしろ中立的で、デタッチしている(関わらないようにしている)かのように見えるのだと。
あなたもまた、頭だけでなく自分の全存在をつかってコミットしていくとはいかなることかをいかに学び、実践していけるかが問われていくでしょう。
今週のみずがめ座の運勢
袋小路を突破するために
今週のみずがめ座は、日常をちょうどよく整え、リフレッシュさせる塩梅を模索していくような星回り。
『借り傘に花の雨いま街の雨』(北野平八)という句のごとし。出先で雨に降られてしまったときに、「これでよければ」とお店か得意先かに差し出された傘をさしているのかも知れません。
「雨」だけでは、単にかき乱され、面倒になっていただけだったところに、「桜の花」がたまたま重なったことで、日常をちょうどよく整えるだけの変数となり得たということなのでしょう。
あなたもまた、いかに日常に“鮮度”を取り戻していけるかどうかがテーマとなっていきそうです。
今週のうお座の運勢
めざめよ底力と生命はいう
今週のうお座は、自分でもうまく説明できないような不気味なエネルギーを発していくような星回り。
ドフトエフスキーの『罪と罰』の主人公で、頭は回るが仕事がないラスコーリニコフはやがて、金貸しの老婆殺しというとんでもない一件を引きおこしてしまいます。
しかし、それは彼がサイコパスだったからでも、心神喪失状態にあったためでもなく、ドフトエフスキー自身による説明によれば「彼の内部には何かしら彼のまったく知らない、新しい、思いがけぬ、これまで一度もなかったものが生まれかけていた」のであり、「彼はそれを理解したわけではなかったが、はっきりと感じていた。感覚のすべての力ではっきりとつかみとっていた」というのです。
あなたもまた、からだの奥底にまで届いてしまう「感覚」に、いかに直接的に触れていくことができるか、ということがテーマとなっていくでしょう。
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