没入型のミュージアムや人気ブランドの展示会などが、注目を浴びている近頃。かくいう私・manamiも美術館などをめぐるのが好きなのですが、この前おもしろい展示を見つけたんです。
その名も、「どっちかといえばこっち展」。なんとも、めちゃくちゃゆるいタイトルですよね。
週末の2日間限定ということで、土曜日の早朝から1人で足を運んできました。とってもユニークだったので、ぜひ共有させてください!
知ったきっかけは1つのツイート
「どっちかといえばこっち展」を知ったきっかけは、過去に開催していた「やだなー展」を紹介するツイート。
クリエイティブディレクター・明円卓さんのこのつぶやきを見かけて興味を持ったのですが、残念ながら時すでに遅し…。
今日から2日間、表参道で「やだなー展」を開催中です。
— 明円卓(ミョウエンスグル) (@sugurumyoen) October 29, 2022
・中腰で写真を撮るとき
・外出中にzipファイルが送られてきたらたとき
・手を洗った後にトイレのドアノブを触るとき
など日常の小さな「やだなー」を展示しています。でも「やだなー」はアイデアを考えるヒントにもなるはず。お待ちしてます! pic.twitter.com/GD2UDvOlG4
このツイートを見たときには、会期が終了してしまっていたのです。
そこで次の開催を待っていたところ、今回の「どっちかといえばこっち展」が12月17日(土)・18日(日)に開催される情報を発見。これは行くしかないと、表参道の会場に行ってきました!
会場に入って渡されたのは、こちらのクリップ。「何に使うの?」と思った方、この説明はまたあとで。
「どっちかといえば?」を永遠に考える
展示会のタイトルのとおり、「どっちかといえば…こっちかな〜?」とつい迷ってしまうような、お題が100個挙げられています。
たとえば、「小ライスと半ライス」「定食とセット」「末吉と小吉」など。絶妙な塩梅の選択肢が並んでいて、「うわ〜いいお題だわ〜」と思わずにはいられません。
「かしこまりましたと承知いたしました」、どっちかといえば「承知いたしました」かな。
「あざすとあざます」、どっちかといえば「あざます」かも。
「タコパと鍋」、どっちかといえば「鍋」。もう寒くなってきたし、単純に家にたこ焼き器がないから。
「一輪と花束」、どっちかといえば「一輪」。
俳優の石田ゆり子さんが著書『Lily ――日々のカケラ――』の中で「花を一輪だけ買ってきて生ける」なんて素敵な言葉をつづっていたので、密かに憧れています。
「エクセルとスプレッドシート」、どっちかといえば「スプレッドシート」(ちなみに“スプシ”ではなく“シート”って言いたい派)。
「深爪とささくれ」、どっちかといえば…うう〜〜むずい!どっちも嫌に決まってる、けど、どっちかといえば「深爪」(の方がマシ)。
20〜30問見たくらいで、「どっちかといえば」のゲシュタルト崩壊が起こってきました。
今回の企画展の発案は、なんと学生インターンなのだとか。普段は意識していなくても、小さなところにこだわりが潜んでいることに気づき、選択する上での“ものさし”に注目したそうですよ。
たしかに何気なく選んでいくうちに、自分の境界線が見えてきたような?
「どっちかといえば」はまだまだ続くよ、どこまでも
自分でもくもくと考えるのも楽しいのですが、友達や恋人と話しながら答えるのもおもしろそうです。「そういう考えなんだ!」なんて、新しい発見も見つかるかも。
「ShiftとCtrl」どっちかといえば、たくさん使っているであろう「Ctrl」。
「(お手洗いの)奥と手前」、どっちかといえば「手前」。学校や職場で、謎にお気に入りの場所があったりしますよね。
「リボン結びと蝶々結び」、どっちかといえば「蝶々結び」。なんとなく。
“唐揚げのレモン問題”といえば、ドラマ『カルテット』のシーンが印象的。高橋一生さんのこじらせ演技が最高なんです。
ちなみに高橋さんが演じるキャラクターによると、「レモンかけますか?」でも「レモンどうします?」でもなく、「レモン、ありますね」が正解なんだそうですよ。
人の答えがわかるっておもしろいかも
ずらっと並んだ赤いポスト。ここで、最初にもらったクリップが活躍します。
2択の選択肢のうち、「どっちかといえば」どちらがいいか、選んだ方にクリップを入れる投票スタイル。
正直「どっちでもいい」お題もありましたが(笑)、私なりに考えて投票してきました。
そしてポストの下部分を開けると、投票結果を見られるようになっているんです。ほかの人がどちらを選んでいるのか、票数を見られるのはおもしろいかも!
ちなみに私は「PNG」派です。
正解・不正解はないよね
最近はSNSのコメント欄に踊らされたり、YouTubeの高評価・低評価によって良し悪しが決まったりするけれど、そういったものに左右される必要はないはず。
「どっちでもいいけど、私はこっち」そんな意思を大切にして、自分のものさしを持っていたいなと思わせる、すてきな内容でした!
この展示会、どっちかといえば「最高」だったな。