isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
当たり障りのある存在へ
今週のおひつじ座は、秩序の外に身を置いた「世界の紛れ者」のひとりになっていくような星回り。
現代社会では、外部の産業構造に日常をコントロールされてしまっている在り方に疑問を感じて、自分で野菜を育ててみたり、郊外に移住して自給自足にチャレンジしようとする人もちらほら増え始めています。
江戸時代の俳聖として名高い松尾芭蕉は、単に市井の宗匠(俳諧の先生)から脱却するだけでなく、貨幣経済としての町人文化からの脱出も併せて試みるべく、旅と草庵という非定住の生き方を選択しました。
当時、何で喰っているのか分からないような人間は、社会を乱すような無茶苦茶なことをするリスクが高いので、疑いの目が向けられてしまう訳ですが、そうした体験は自己を既存の社会システムから解放していく上で、必ず払わなければならない代償でもあったのです。
あなたもまた、たとえ一時的にであれ、普段意識がそこに縛られがちな職業的な立場や身分から、解き放たれていきやすいでしょう。
今週のおうし座の運勢
時の流れが逆流していく
今週のおうし座は、みずからの来し方行く末を改めて振り返っていこうとするような星回り。
『見て白い明け方の町夏休』(藤田哲史)という句のごとし。全体に漂うどこか物憂げな空気感は、映画や物語のオープニング風景というより、むしろエンディングに向かっていく際のそれといった感じは否めないように思います。
人は人生のどこかで「白紙のまま宙づりにされた未来」だったり、「分かりやすい意味がまだ付与されてない未来」へと、それでも突き進んで行かねばならないときが来るものなのではないでしょうか。
あなたもまた、過ぎ去りつつある過去をきちんと過去のものとするべく、未来への一歩を踏みしめていくことになるでしょう。
今週のふたご座の運勢
ゆらゆらさらさら
今週のふたご座は、自分をずらして、異なる在りように再構成していこうとするような星回り。
ランボーの後期、韻文詩の一篇『永遠』の一節のごとし。
一節に含まれるような<詩的なもの>とは、いつだって自己への満ち足りた同一性をかわしつつ成立する不測の出来事であって、たえず自らを異なるものへと差異化し、生成していく運動としてのみあり得るのだとも言えるかも知れません。
あなたもまた、そんな<賭け>へと何も考えずに飛び込んでみるべし。
今週のかに座の運勢
生き生きとした統合を求めて
今週のかに座は、遠い過去と現在とが改めて結びついていくような星回り。
『むかし吾を縛りし男の子凌霄花』(中村苑子)という句のごとし。掲句では、つるを他の木などにからみつかせ、どこまでも執拗に這いのぼる性質が焦点となっています。
つまり、人生の途上で経験したことを媒介にして、過去と現在とがふたたび結びついたのであり、長く生きることで賢くなることがあるとすれば、こういう瞬間の積み重ねるなかで、むかしはよく分からなかったことが鮮明になって整理されてくるからなのかも知れません。
あなたもまた、ますます遠い過去が身近になっていくような体験をしていきやすい時期なのだと言えます。
今週のしし座の運勢
泥仕合の必要性
今週のしし座は、どうしてもコントロールできないものがあぶり出されていくような星回り。
ペンテウスを陥れた、ディオニューソスの一言のごとし。
誰よりも理性的であったはずのペンテウスは、それゆえにおのれの内に屈折した欲望を抱えており、ディオニューソスにそこを突かれてしまう。それは偽善的純潔や小賢しさなどは、暗い自然の前では露ほども通用せず、むしろ多くの場合、その愚かさや異常さを暴かれてしまうことと相通じているように思います。
あなたもまた、内部からであれ外部からであれ、暗い自然からの襲撃を、みずから受け入れてしまうようなところがあるでしょう。
今週のおとめ座の運勢
価値を転倒させていく
今週のおとめ座は、どこかで見失っていた「強さ/弱さ」へのまなざしを取り戻していくような星回り。
『蜥蜴の交尾ずるずると雄ひきずられ』(田川飛旅子)という句のごとし。作者は長年にわたり企業で勤務してきた男性ですが、だからこそ自身の経験も踏まえた上で、表面的な強さや勢いのよさなどには惑わされない、人間の奥深い機微に対する洞察を備えていたのかも知れません。
そもそも、強さや弱さというのは簡単にはかれるものではありませんが、現代社会ではどこか物理的強さや経済力といった分かりやすい基準だけでそれを決めつけてしまうような傾向があるように思います。
あなたもまた、一般的ないし現代的な基準とは異なる視点を通して、強さ弱さということにまつわる議論に奥行きを与えていきたいところです。
今週のてんびん座の運勢
媒介と小説
今週のてんびん座は、「する/される」というモードの外へと立たされていくような星回り。
哲学者の坂部恵は、「ふるまい」という日本語をめぐる考察のなかで、「ふるまう」に相当する西洋語の動詞が、英語やドイツ語において再帰動詞のかたちをとることに注目していました。というのも、そうした事実は、「ふるまい」という日本語のもつ「受動的であると同時に能動的な<二重化的>な構造」を暗に示しているからです。
「<自由自在なふるまい>において、ひとは、既製の行動の規範や形にしたがいながらも、けっしてそれらにしばられることなく、いわば自己と他者との間、普遍的規範と個別的状況との間を想像力によって自由に行き来しながら、個別的状況に即し、個別的状況を超えつつ、ふるまう。」
あなたもまた、何事かを頑張って成し遂げるのでもなく、ただ命令に従う訳でもない、「ふるまい」という語のもつ「媒介」としての働きにおのずから近づいていくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のさそり座の運勢
鋭く深く繰り返し…
今週のさそり座は、「人生のメロディー」を思わず口ずさんでしまうような星回り。
『水着脱ぐにも音楽の要る若者達』(横山白虹)という句のごとし。「水着脱ぐ」という動作について特別意識することも、日常どころか人生において初めてだという人も少なくないだろう。それほど無意識的な動作でさえ、「音楽が要る」のが「若者達」なのだと作者はいう。
掲句の主体を、作者のようなかつては若者であったはずのおっさんに置き換えるならば、「ひとりでに歌の流れる便所かな」といったところだろうか。
あなたもまた、改めて自身の身体や生活に流れている音楽に耳を澄ませたり、必要に応じて新たな音楽をインストールしてみたりするといいだろう。
今週のいて座の運勢
狂気と風狂のはざまで
今週のいて座は、決断の奴隷になることをみずから中止できるくらいの勇気をもつこと。
かつてキルケゴールという哲学者が「決断の瞬間とは一つの狂気である」と書いたように、たしかに良くも悪くも、なにかを決断するという行為は人を盲目にするところがあります。
確かに生きることの苦しさが増すほど、私たちはみずから奴隷になりたがる傾向にあり、「決断」という言葉に漂う、何か英雄的な響きとは裏腹に、実のところそれはわたしたちに「心地よい奴隷状態」をもたらしてくれる、物事を深く考えずにすむための習慣であり、発明品なのだとも言えるでしょう。
あなたにとって、今週は戸惑ったり悩んだりすることで、いつものコースをはずれていく自由をみずからに与えていくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のやぎ座の運勢
まっすぐに突き進んでいくために
今週のやぎ座は、「こうでしかあれない」という自分の生き様を、みずから肯定していこうとするような星回り。
『日を追わぬ大向日葵となりにけり』(竹下しづの女)という句のごとし。一時は俳壇の中心で脚光を浴びる存在だった作者ですが、俳句の基本的な約束事への懐疑を深め、俳壇や所属していた結社からも離れて、もとの居場所を批判したりして、あまり相手にされなくなってしまった時期があったといいます。
それでも、晩年には自身で機関誌を創刊したり、学生句会を指導して熱心に後進を育て、そこから有名な俳人が幾人も輩出されていきましたから、「大向日葵」というのもあながちこけおどしではなかった訳です。
あなたもまた、しづの女くらいの大胆さで開き直っていきたいところです。
今週のみずがめ座の運勢
有機的な連なりにのって
今週のみずがめ座は、同じことの繰り返しによって生じてくる<有機的なもの>が溢れ出してくるような星回り。
思想家のロラン・バルトは『第三の意味―映像と演劇と音楽と』(1982)のなかで、しるしを刻まれた有徴のもの(例外的なケース)の絶えざる出現と、無徴のもの(普通とされていること)の絶えざる後退を運動(いま)として持続させることこそが、人間性の根本なのだとして次のように述べました。
「文字が発明されるずっと以前に、さらには、洞窟画が描かれるずっと以前に、おそらく根本的に人間と動物とを区別する何事かが生じたのだ。それはリズムを意図的に繰り返すことである。(……)砕石の刻み目や槌で打たれて多面体化した球が証明するように、人間の作業の特徴は、まさに長く繰り返されるリズミカルな衝撃音なのである」
あなたもまた、「リズムにのる」という言葉の意味するところを、仕事であれプライベートであれ改めて実感していくことができるかも知れません。
今週のうお座の運勢
有機的な連なりにのって
今週のうお座は、不意に遠心力が加わってグワーンと振り回されていくような星回り。
『原子炉に水打つ女が夢に立つ』(渡辺誠一郎)という句のごとし。いい歳をした男が何の脈絡も、必然性もなく、ある日突然出現してきたイメージや、それをきかっけに湧いてきた感情に振り回されている図を、あえて公開してみせた懺悔句とも言える訳です。
そして、こういう出来事というのは、自分のことを賢いと思っている知識人だったり、お偉いさんであるほど、より強烈になっていくように思います。
あなたもまた、概念的で体系的な把握の外へと放り出されていくようなことが起きていきやすいでしょう。
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