isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
大胆で残酷な抑止を
今週のおひつじ座は、卓越した熟練としての「震え」をみずからにもたらしていこうとするような星回り。
哲学者のジョルジョ・アガンベンは、あらゆる創造行為には、何か表現すること/されることに対する抵抗や反発が含まれている、と書いていました。
すぐれた画家ほどキャンバスを前に手の震えや迷いを感じたり、作品をゼロからやり直すことを厭わないものであり、それは迷いなくおのれのビジョンを猛然と絵に刻みつけていくことや、作品を完成し発表するところまでこぎつけることと同じか、それ以上に大切なことなのかも知れません。
あなたもまた、「~せずにはいられない」「必然的に~する」と感じていることほど、それをいかに差し控えたり、ゆらぎや偶然性を与えていけるかが問われていくでしょう。
今週のおうし座の運勢
ちょっとここらでひと休み
今週のおうし座は、できるだけ気持ちが休まるような時空に身を潜めていくような星回り。
『沢蟹や石の間に水休む』(小野あらた)という句のごとし。沢蟹が住んでいる石のはざまでは、川の水の勢いは静かで穏やかな表情へ打って変わり、まるでそこでひと休みしているようにも感じられます。
沢蟹は、そういう場所を本能的にかぎつけているのだと思いますが、そうした能力は、大量の情報が奔流のように押し寄せるなかで生きなければならない現代人が、もっとも必要としている能力なのかも知れません。
あなたもまた、自分が心から穏やかで、静かな気持ちでいられる場所をいかに見出し、どれだけそこに身を置いていけるかということがテーマになっていくでしょう。
今週のふたご座の運勢
くるりと一回り
今週のふたご座は、ある種の禁欲的なナンセンスを体現していこうとするような星回り。
種村季広は「文学的変装術」というエッセイのなかで、経歴詐称や素顔を盛って見せるご都合主義的な“自己ブランディング”とは区別した、特別な「変装」について取りあげています。
「変装家の才能の主たるものは、本来の自分ではないもの、すなわち他者に変身する同化能力であるが、そのためには同時に、本来の自分を消去する断食苦行僧にも似た意志的禁欲が必要とされる。(…)変装は何物かのための手段ではなくなって、それ自体が目的となる。変装術の極意ともいうべきものは、手段であったものが目的となるこの最後の転倒にあるに違いない。」
あなたもまた、無意味なまでにストイックに手段の目的化を試みてみるといいでしょう。
今週のかに座の運勢
濁りと生成
今週のかに座は、未来を感じさせてくれるような、身体的兆候を見出していこうとするような星回り。
『少女充実あんず噛む眼のほの濁り』(掘葦男)という句のごとし。この場合の「充実」とは、身体性の深まりや、その結果としての存在としての輝きのことも指しているのではないでしょうか。
少女の眼の「濁り」は時間の経過とともに強まっていくものとして描かれている訳ですが、それは少女のなかでそうした攪拌や拒絶が起きていることの確かな証拠であり、作者はそこに未来をも感じていたはず。
あなたもまた、身体性の深まりを通して可能性を感じとったり、よりその可能性を押し広げたりしていきたいところです。
今週のしし座の運勢
コズミックに在るために
今週のしし座は、周辺環境との「浸り」に身を任せていくような星回り。
イタリアの哲学者コッチャによると、植物の存在はそれ自体が、生命がコズミックな環境、すなわち浸透し浸透される世界に在ることが可能である、何よりの証左なのだと言います。
植物は自分たちを取り巻く周辺環境へと浸透することと、逆に浸透を受けることという、作用と受容の形式上の混合をたえず生きている訳ですが、これは人間においては水中に浮いていたり、泳いだりしているときに体験していることに近いかも知れません。
あなたもまた、何かを考えたり望んだりする以前の実践レベルにおいて、いかにコズミックに、すなわち「しなやかに」在れるかということが問われていくでしょう。
今週のおとめ座の運勢
まなざしの反転
今週のおとめ座は、知らずに自分の人生をどう創っていたかがあぶり出されていくような星回り。
『あなただあれなどと母いふ暑さかな』(竹内立)という句のごとし。文字通り相手の名前や正体を問いただそうとしているのか、それとも、コミュニケーションそのものを欲しているだけなのか。
後者だとすれば、幼い頃に自分を育ててくれた母親を、今度は自分が親になり替わって幼児のごとく世話している訳ですから、この世におけるバランスの在り方というのは本当に複雑怪奇にできていますが、子どもであるなら、できるだけ減点主義ではなく加点主義で接していきたいものです。
あなたもまた、何となくこの世界や他人に向けていた視点や感情が裏返って、自分の人生を創っていたことに気が付いていくことになるかも知れません。
今週のてんびん座の運勢
兆候と理想のはざまで
今週のてんびん座は、結果や効率を追求するのとは真逆の方向へと振れていこうとするような星回り。
2018年2月に青山で開催された「GROUND NO PLAN」展の展示場には、コンクリートの瓦礫が散乱しており、その瓦礫のあいだには何冊もの六法全書が打ち捨てられていました。会田誠は、その「宣言」のなかで、われわれには2階建てよりも高い建物がもはや必要ではないし、そうした建物の破壊は法そのものの廃棄に通じると訴えたのです。
3.11およびフクシマでの原発事故以後の時代状況を会田は、明らかにこれからの都市の在り方をめぐるビジョンを「文明そのものの終焉」から見据え直そうとしていたのでしょう。
あなたもまた、いったん自身の物事の見方を文明以前に戻すべく、リセットを試みてみるといいかも知れません。
今週のさそり座の運勢
思いがけぬ自画像
今週のさそり座は、メランコリーの教訓をしかとおのれに叩き込んでいくような星回り。
『うつうつと最高を行く揚羽蝶』(永田耕衣)という句のごとし。いにしえの錬金術師のあいだでは、メランコリーは錬金術の「黒色化」の過程と同一視されましたが、彼らはそこで徹底的に否定性と死とをわがものにし、最大の非現実性をとらえることで、最高の現実性を形作ろうとしたのだと言えます。
つまり、「うつうつと」して落ちるところまで落ち、「不可能性」を身をもって知ることができた者だけが、その後に真の意味で「最高」ととらえることができるのだということ。
あなたもまた、心から「とらえられない」と感じたものこそが、真の意味でとらえられるのだということを、改めておのれに言い聞かせていくべし。
今週のいて座の運勢
物語を人間化していくために
今週のいて座は、おのれが再編成される地点まで自身を運んでいこうとするような星回り。
辞書をひくと、「際」とは「もう少しで別の物になる、その物のすぐそば。すれすれのところ」を意味する言葉と出てきます。例えば、東京の「際」というと大田区蒲田、北区赤羽、川崎、町田、立川など、中心では居心地の悪さを感じるような多くの人が飲み歩き、特有の香ばしさと怪しさとを醸し出している一帯である点では共通しているはず。
それはおそらく、「際」と呼ばれる一帯が、現在自分がこの世界や周囲と結んでいる委縮してしまった関係性を開いて、偶然性に満ち満ちた異なる関係性を呼び込む形で機能することで、時に未来を取り戻したり、はたまたますます過去に囚われたりしつつも、そこを訪れる人々のリアルを変え続けているのでしょう。
あなたもまた、できるだけそうした「際」として機能している一帯に足を運んでみるべし。
今週のやぎ座の運勢
余計なものを削ぎ落す
今週のやぎ座は、「〇〇はこんなものだ」という思い込みを解除していこうとするような星回り。
『緑陰に網を逃げたる蝶白し』(高浜虚子)という句のごとし。
作者の句はいつも言葉遣いが平明で、言葉の流れもごく自然に配置されているので、読者は思考力に負担をあまり感じずに読むことができます。それは、作者がごくつまらない主観の押しつけによって句が濁ることを嫌って、これ見よがしな主観の暴露や思想の開陳をことごとく削ぎ落していくがゆえに成り立つ、絶妙な塩梅によるところが大きいのではないでしょうか。
あなたもまた、ただ目に映った事実の通りに認識をふちどり直していきたいところです。
今週のみずがめ座の運勢
悪のリアリティ
今週のみずがめ座は、悪がどこから来るのかを改めてたどっていこうとするような星回り。
有名な「善悪の知識の木」の話を改めて読むと、いきなり話が膨らまされている。神さまは2本の木のうちの「知識の木の実だけは食べてはいけない」と言ったのにも関わらず、イブは話を不当に大きくしたり、歪曲して伝えてしまったりしています。
こうして聖書には、人間が嘘に嘘を重ねたり、みずからの責任を他人になすりつけていく過程が繰り返し描かれているのですが、人間の元祖であるアダムとイブからして悪が備わっているというのが、聖書のメッセージなのです。
あなたもまた、個々人の自己中心性によって破綻している身近な悪のリアリティを放置する代わりに、つぶさに観察し、実感できるようにしていくべし。
今週のうお座の運勢
スロー&ライフ
今週のうお座は、思い切ってプラグを1つ抜いていこうとするような星回り。
『海女(あま)小屋の電気メーター回りをり』(杉原祐之)という句のごとし。
掲句は完全にライフラインを電気に頼りきって暮らすことのリスクが、ますます高まっている昨今の状況に対するひとつの打開案としても受けとれます。すべてではなくても自分の食べるもの1つくらいは、自分の手でなんとかしてみようと。
あなたもまた、巨大な産業構造に暮らしの何もかもを外注してしまうのではなく、自分の手で自分の暮らしを取り戻すための一手を打っていきたいところ。
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