国内外問わず大ヒットを記録している韓国文学『82年生まれ、キム・ジヨン』の実写映画が、日本でもついに公開されましたね。
女性として生きることへの困難や痛みを切実に描いたストーリーが感動的で、この作品を機に韓国文学に興味を持った方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は韓国文学の深い世界に浸れるおすすめの作品を集めてみました!名作から個性が光る意欲作まで、厳選してご紹介します♩
チョ・ナムジュ『彼女の名前は』
まずは『82年生まれ、キム・ジヨン』の作者チョ・ナムジュさんの最新作『彼女の名前は』をご紹介。
この作品は韓国の女性たちへのインタビューを元に構成された短編集で、不条理な現実と戦う女性のリアルな生き様が28編にわたり描かれています。
日々の生活の中で立ちはだかる困難、差別、理不尽。「声をあげ続ける」ことの重要さと、女性として前向きに生きることについて考えさせられる一冊です。
『彼女の名前は』
著:チョ・ナムジュ
訳:小山内園子
価格:税込1,760円
Amazon:amazon.co.jp/dp/4480832157
ソン・ウォンピョン『アーモンド』
『82年生まれ、キム・ジヨン』に続き、日本でも大きな話題になっているのが『アーモンド』。2020年の本屋大賞(翻訳小説部門)1位に選ばれ、感動の作品として大反響を呼んでいるんです。
この物語の主人公は扁桃体(アーモンド)が小さく、怒りや恐怖といった感情を持たない少年・ユンジェ。周囲になじめない彼が、同じく生きづらさを抱える不良少年のゴニとの交流を通して少しずつ成長していく物語です。
ユンジェをはじめとする人々の心境が丁寧に描かれており、少年が触れる「愛」に思わず涙が…。いつまでも余韻に浸っていたくなる作品です。
『アーモンド』
著:ソン・ウォンピョン
訳:矢島暁子
価格:税込1,760円
Amazon:amazon.co.jp/dp/4396635680
チョン・セラン『保健室のアン・ウニョン先生』
お次は、打って変わって痛快なストーリーが楽しい一冊をご紹介します♩
『保健室のアン・ウニョン先生』は、霊能力者のアン・ウニョン先生が同僚のホン・インピョ先生とともに様々な怪奇事件や邪悪なものに立ち向かうファンタジーな物語。悪態つきのウニョン先生をはじめ、ヒロインの“ゼリー・フィッシュ”などの魅力的なキャラクターが繰り広げる青春模様に、夢中で読み進めてしまうこと間違いなしです。
Netflixで実写ドラマも配信中。気になる方はそちらもチェックしてみてくださいね。
『保健室のアン・ウニョン先生』
著:チョン・セラン
訳:斎藤真理子
価格:税込1,760円
Amazon:amazon.co.jp/dp/B0897RMHQZ
チョン・セラン『フィフティ・ピープル』
同じくチョン・セランさんの作品『フィフティ・ピープル』もおすすめ。タイトルの通り50人もの主人公が登場する連作短編集なのですが、さりげないエピソードの中に誰かの人生が交錯して繋がっていくのが面白く、読めば読むほどのめり込んでしまいます。
普段は見過ごしてしまいがちだけど、なんとなく心に残っている違和感や悲しみ、怒りなどの繊細な感情が冷静に描かれている本作。深い「共感」に、自分の中にある癒えない痛みも救われるような感覚を味わえるはず。
『フィフティ・ピープル』
著:チョン・セラン
訳:斎藤真理子
価格:2,420円
Amazon:amazon.co.jp/dp/4750515647
パク・ミンギュ『カステラ』
最後は星新一さんのような、ちょっと不思議な世界観が魅力の『カステラ』をご紹介。
「冷蔵庫は一個の人格なのだ」など、作者独特の視点から描かれる物語11編が収録された、なんともシュールな短編集です。
大きなドラマやストーリーはなく、日々の中での感情が比喩的に表されているのが素敵。どこか散文のような、詩のようなパク・ミンギュワールドにハマってしまうこと必至です◎
『カステラ』
著:パク・ミンギュ
訳:ヒョン・ジェフン、斎藤真理子
価格:税込1,870円
Amazon:amazon.co.jp/dp/4906681395
韓国文学、読みたくなってきた?
社会に強くメッセージを打ち出すものから、深い言葉の世界に浸れるものまで、個性豊かな魅力が詰まった韓国文学。
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