旅行欲が高まるこの季節。でも今年はなかなか行けないのが辛い…。
だったら、想像の中で旅に出てみるのはいかがですか?
そこで、今回はお家で旅行気分が味わえちゃう「旅エッセイ」をご紹介します♩
近藤聡乃『ニューヨークで考え中』
ニューヨークに住んでいる作者の日常がコミカルに描かれたコミックエッセイ。「ニューヨーク」と聞くと華々しいイメージがあると思いますが、この作品の中で描かれているのはただ、ささやかな日常だけ。でもそんな等身大の生活ぶりがリアルでおかしく、「実際に住んだらこんな感じなのかな」と想像力をかき立ててくれます。
行きつけのベーグル屋さんや、お気に入りの靴などの紹介もあって、日常の中にかざらないおしゃれさが感じられるのも素敵ポイント。こんな自然体でニューヨーク生活を送りたい…。
片桐はいり『わたしのマトカ』
女優の片桐はいりさんが映画『かもめ食堂』の撮影でフィンランドに行ったときの出来事を描いたエッセイ集。ロケ地で出会った人、起こったことが片桐さん独特の視点でコミカルに綴られています。
機内食で出てきた真っ黒な激マズお菓子、フィンランド語を初めて覚えたときの嬉しさ…。宝物のような旅の思い出がたっぷり詰まった1冊です。
角田光代『いつも旅のなか』
『八日目の蝉』などの作品で有名な作家・角田光代さんの旅エッセイ集。生粋の旅好きでもある角田さんが今まで訪れた世界各国の文化や、「旅あるある」が丁寧に描かれます。
このエッセイのすごいところは、単に旅行の出来事が並べられているのではなく、出来事の背景にはどんな文化が関係しているのか、日本と世界のつながりはどんなところにあるのか…など、作者の冷静な分析が挿入されているところ。今まで考えたこともなかった日本の文化についても考えさせられる、奥深いエッセイです。
梨木香歩『風と双眼鏡、膝掛け毛布』
『西の魔女が死んだ』でおなじみの梨木香歩さんのエッセイ。こちらは国内を探訪する、しっとりとした雰囲気の作品です。
日本の変わった「地名」を手がかりに、その土地の自然や人々の思いをみずみずしく紐解いていきます。和歌や文学などが随所に引用され、土地の姿だけでなく日本語の美しさにも触れられるのがこの作品の特徴。新しい旅の楽しみ方を提示してくれる、やさしいエッセイになっています。
お家で自由に旅してみて♩
旅の景色がたっぷり詰まった「旅エッセイ」。気になる作品は見つかりましたか?
皆さんも想像の世界を、自由に旅してみてくださいね♩