写真家・篠山紀信が撮影してきた写真をダイナミックに展示し、観るだけではなく“観て、感じる”ことのできる写真展『篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN The Last Show』が、9月5日(木)より東京での展示をスタートします。
2012年の熊本市現代美術館から始まり、7年間にわたり全国32会場を巡回した写真展も、この東京凱旋展が最後です!
遊べるギャラリー「Gallery AaMo」で開催!
『写真力』は、東京ドームシティにある遊べるギャラリー「Gallery AaMo(ギャラリーアーモ)」にて開催されます。
天井高が約5mある大きな空間で、篠山紀信が撮影した昭和・平成・令和のスターたちの写真を観られるなんて、とっても贅沢ですよね♡
5つのカテゴリーと篠山紀信の写真
この『写真力』では、5つのカテゴリーに分けられた写真が並びます。
(1)GOD…すでに亡くなられた人々の在りし日の姿
(2)STAR…時代のアイコンとして知られる人々
(3)SPECTACLE…フィクション化された虚構の世界から見える真実
(4)BODY…時代を切り開くヌード表現
(5)ACCIDENTS…東日本大震災で被災された人々の肖像
それぞれが点で孤立しているようで、1〜5までのカテゴリーを一通り回ってみると、どこかで繋がっている部分があることに気付きます。
そんな写真展のポイントをご紹介していきます♡
【GOD】写真は記憶の起源になる
最初の展示スペース【GOD】には、すでに亡くなられている方のポートレートが並んでいます。
三島由紀夫、金さん銀さん、夏目雅子、美空ひばりなど錚々たる顔ぶれ。
写真集でみるのとはまた違う力強さを感じる、素敵な空間です♩
【STAR】時代のアイコンと共に振り返る
隣の【STAR】では、時代のアイコンとして知られる方々の写真が展示されています。
撮られた年齢や時代はばらばらですが、ひと塊の作品群として息をしているなと感じられるのがまた不思議です。
こちらには山口百恵のグラビア見開き1ページとして有名な1枚も展示されています。
1枚1枚をじっくり眺めるのがおすすめですよ!
【SPECTACLE】夢の世界がリアリティを持つ瞬間
【SPECTACLE】では、虚構、フィクションの世界を撮ることで生じるリアリティに焦点を当てた作品が並んでいます。
篠山紀信によると、虚実の世界を写真によってフィクション化することで真実が浮かび上がるのだそうです。
後藤久美子さんと共に作り上げたパノラマ+篠山紀信の通称“シノラマ”は、4枚の写真を繋げて作られている作品。
実際には少しずつ時間のずれた写真を1枚に仕上げることでちょっとした時空の歪みができている。そんなことを考えながら鑑賞してみると面白いですよ!
【BODY】人間の体が見せる表情とは
視覚的に刺激のある【BODY】というスペースでは、ヌード写真が展示されています。
生々しいヌードではなく、また性ではなく生を感じる作品は、人間の体で幅広い表現が可能なのだということに改めて気付かせてくれるんです。
【ACCIDENTS】3.11で被災された人々の肖像
展示会の最後【ACCIDENTS】は、2011年3月11日に起こった東日本大震災で被災された人々のポートレートです。
ドキュメンタリーとは距離を取ってきた篠山紀信が、“ありのまま”を受け止める姿勢で収めた、それぞれの立ち姿。
演出も、指示もなしに撮ったという写真から、多くのことが受け取れると思います。
「自分の目で見て、写真を体感してほしい」
篠山紀信はこの展示について「写真集やネット越しで満足するのではなく、自分の体をここへ運んで、空間に浸って写真と向き合い、対話をする。空間に体を浸すことが大切」だと語りました。
写真は平面の芸術表現であるけれど、実際、写真を目の前にして体感する/しないとでは受け取れる衝撃も違うのでしょう。
53日間、開催されている『写真力』。写真のパワーをその目で見られる最後のチャンスです♩
◆『写真力』概要
期間:2019年〜9月5日(木)〜10月27日(日)
場所:Gallery AaMo(東京都文京区行楽1-3-61)
時間:10時〜18時
料金:一般1,400円、高校・大学生900円、小・中学生400円
URL:https://www.tokyo-dome.co.jp/aamo/event/shinoyamakishin.html